第1回口頭弁論、新渡戸家側争う姿勢/十和田・記念館明け渡し訴訟

耐震強度不足で廃止した旧十和田市立新渡戸記念館を占有しているとして、建物を所有する市が、土地と主な収蔵品を所有する新渡戸明氏と長男常憲氏を相手に、建物の明け渡しを求めている訴訟の第1回口頭弁論が30日、青森地裁十和田支部(北川瞬裁判官)であ.....
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耐震強度不足で廃止した旧十和田市立新渡戸記念館を占有しているとして、建物を所有する市が、土地と主な収蔵品を所有する新渡戸明氏と長男常憲氏を相手に、建物の明け渡しを求めている訴訟の第1回口頭弁論が30日、青森地裁十和田支部(北川瞬裁判官)であった。新渡戸家側は「建物は市が主張するような危険な状態ではない。再検査し、最新の建築技術に基づいて補強工事の可否が検討されるべきだ」とし、争う姿勢を示した。[br][br] 訴状によると、市は2015年、同館の耐震性に問題があるとして、条例で廃止を決定。しかし、新渡戸家が同館を不法に占有しているとして、建物の明け渡しと、廃止以降の1カ月当たり4万1834円の賃料相当額の支払いなどを求めている。[br][br] 答弁書で新渡戸家側は、資料は同館が立地する太素塚内に保存されることに文化的価値があり、移動によって壊れる可能性が高いと強調。補強工事の可否を検討し、同館で保存することが最善の方策だと訴えた。[br][br] また、「訴訟の結果によっては新たな紛争が生じることが必至だ」とし、双方協議による解決を主張。常憲氏は意見陳述で、「明け渡しが認められれば、市が主張する『資料を将来に引き継ぐ』という目的の達成は困難になる」と述べた。[br][br] 同館を巡っては新渡戸家側が廃館撤回を求めて15年に提訴したが、19年に最高裁で廃止を妥当とした一、二審判決が確定している。