民間信用調査会社の東京商工リサーチ青森支店は28日、新型コロナウイルスの影響について、青森県内の企業を対象に8月28日~9月8日(第8回)に実施した調査結果を公表した。回答した88社のうち、8月の売上高が前年割れだったのは63社(71・5%)で、前回調査(7月28日~8月11日)に比べ3・8ポイント悪化。全国的に感染が収束しない中、県内企業でも経済活動の停滞が常態化し、改善の兆しは見えていない。[br] 売上高が前年割れとなった企業の割合は、緊急事態宣言が出された5月が最も悪い81・3%。6月は68・5%、7月には67・7%と上向きつつあったが、8月は悪化に転じた。国内向けの売り上げ減少が要因で、需要喪失が企業に大きなダメージを与えている。[br] 新型コロナの影響が長引いた場合、回答した97社のうち12社(12・3%)が廃業を検討しており、前回調査に比べ3・0ポイント増加。同様の調査では、全国の7・5%、東北6県の9・7%が廃業を検討する中で、県内企業の厳しい状況が際立っている。[br] 在宅勤務・リモートワークの実施状況は119社が回答。15社(12・6%)が実施中で、89社(74・7%)が一度も実施していない。在宅勤務導入の障壁の一つとされる「印鑑」については、回答した102社のうち、36社(35・2%)が「導入の妨げになっている」とした。[br] 同支店は「足元の資金繰り支援で破綻を回避し、倒産は抑制されている」と現状を分析。ただ、停滞が長引いていることから、今後の倒産増加に懸念を示し、「個別企業のニーズに沿った支援への移行が必要な時期だ」と訴える。