東京発着解禁に期待と不安/GoToトラベル

10月1日から東京都発着が追加される「Go To トラベル」。北奥羽地方の宿泊・観光業界では期待と不安の声が交錯する(写真はコラージュ。上から時計回りに、八戸駅に降り立つ新幹線利用客、久慈琥珀本店、みろく横丁。写真は一部加工しています)
10月1日から東京都発着が追加される「Go To トラベル」。北奥羽地方の宿泊・観光業界では期待と不安の声が交錯する(写真はコラージュ。上から時計回りに、八戸駅に降り立つ新幹線利用客、久慈琥珀本店、みろく横丁。写真は一部加工しています)
新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ旅行需要の喚起に向け、政府が展開する観光支援事業「Go To トラベル」の対象に、10月1日から東京都発着が追加される。北奥羽地方の宿泊施設は苦境を打開する好機と捉え、「期待感がある」「対策を強化して受け.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ旅行需要の喚起に向け、政府が展開する観光支援事業「Go To トラベル」の対象に、10月1日から東京都発着が追加される。北奥羽地方の宿泊施設は苦境を打開する好機と捉え、「期待感がある」「対策を強化して受け入れたい」と大都市からの誘客で事業活動の立て直しを図る。一方、都内の新規感染は依然として落ち着かず、不特定多数が訪れる観光施設を中心に感染増加への懸念は尽きない。時機を巡り世論を二分するGoToは、地元の観光業界でも期待と不安が入り交じる。[br][br] 野辺地町の「まかど観光ホテル」は例年、春から秋にかけて県外客の割合が高いが、GoToや県のキャンペーンで県内客が増えつつある。新規の利用客も多く、五日市武隆支配人は「ホテルとして大変ありがたい効果が生まれている」と支援事業を歓迎する。[br][br] GoToの東京追加にも期待感を示し、「消毒や換気の徹底といった感染対策を施して安全安心な環境をアピールしていきたい」と一層の需要増を見据える。[br][br] 北奥羽の旅行客は、東京方面から訪れる人が大半とされる。八戸市旅館ホテル協同組合の附田眞輔理事長は「八戸地域は観光客だけでなく、仕事の出張客も多い。東京発着の追加で、ビジネス利用が回復することも期待したい」と話す。[br][br] ただ、GoToは宿泊施設によって効果にばらつきがあるとの指摘も。割引額が大きい高級宿はお得感が増す半面、宿泊料金が安いビジネスホテルや民宿は恩恵が薄い側面がある。地元のビジネスホテル関係者は「どうしても、温泉地の旅館や高級ホテルの方が注目されやすい」と不満を漏らし、低価格の宿泊施設に目を向けた支援策を求める。[br][br] 旅行客の利用が多い観光施設は、“東京解禁”で生まれる経済波及効果に期待する一方、感染拡大への不安を拭い切れないようだ。[br][br] 久慈琥珀博物館を運営する「久慈琥珀」の新田久男社長はプラス効果を見込みつつ、感染予防策の徹底を重視。「3密」回避のための入場制限や館内消毒などの対応を続けており、「安心して観光を楽しんでもらえる環境を最優先に考えたい」と気を引き締める。[br][br] 八戸市中心街の八戸屋台村「みろく横丁」は、地元を代表する観光スポット。木村健一村長は「うれしい半面、もちろん心配も大きい」とし、「県外から訪れる人は感染予防に協力してくれている。東京からの観光客にも取り組みを理解してもらい、お互いにGoToの恩恵を受けられればいい」との考えを示す。[br][br] コロナ禍で中心街経済は疲弊しており、消費喚起は喫緊の課題だ。八戸中心商店街連絡協議会の松井正文会長は「東京から来てくれた人には、3密回避のルールを守りながら地域で消費してもらい、地元経済を回していければ」と語った。10月1日から東京都発着が追加される「Go To トラベル」。北奥羽地方の宿泊・観光業界では期待と不安の声が交錯する(写真はコラージュ。上から時計回りに、八戸駅に降り立つ新幹線利用客、久慈琥珀本店、みろく横丁。写真は一部加工しています)