「リゾートうみねこ」3カ月遅れのラストラン 沿線、終着駅で鉄道ファン見届け

大勢の鉄道ファンや沿線住民に見送られ、JR八戸線を駆ける「リゾートうみねこ」=27日午後5時ごろ、洋野町大浜
大勢の鉄道ファンや沿線住民に見送られ、JR八戸線を駆ける「リゾートうみねこ」=27日午後5時ごろ、洋野町大浜
さようなら、ありがとう―。東日本大震災直後の2011年4月から運行され、車両老朽化のため3月に定期運行を終えたJR八戸線の「リゾートうみねこ」が27日、八戸駅と三陸鉄道リアス線の盛駅(岩手県大船渡市)を往復する団体臨時列車「ありがとうリゾー.....
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さようなら、ありがとう―。東日本大震災直後の2011年4月から運行され、車両老朽化のため3月に定期運行を終えたJR八戸線の「リゾートうみねこ」が27日、八戸駅と三陸鉄道リアス線の盛駅(岩手県大船渡市)を往復する団体臨時列車「ありがとうリゾートうみねこ」として運行を終えた。新型コロナウイルスの影響で当初より3カ月以上遅れてのラストランだったが、終着の八戸駅には100人を超える鉄道ファンらが集まり、最後の雄姿を目に焼き付けた。[br][br] リゾートうみねこは長年八戸線の主力だった「キハ48系」車両。1979年に新潟で新造され、青森県内の非電化路線で活躍し、2002年の東北新幹線八戸開業から大湊線や津軽線で運行されたリゾート列車「きらきらみちのく」として改造運用された後、11年春の「青森ディスティネーションキャンペーン」に合わせて、再度リニューアルされた。 空と海の二つの青色と、水平線に上る太陽をイメージしたオレンジ色のラインが特徴。3両編成で、大きな車窓から風景を眺められる展望席や、畳敷きの座席が設置された。休日を中心に、主に一部指定席の普通列車として運用され、運行本数は延べ2千本、同19万5千人の乗客が利用した。[br][br] 3月の定期運行終了後は、6月13、14日に予定されていた旅行商品としての運行がラストランとなるはずだったが、新型コロナ感染拡大で中止。車両は、八戸運輸区でいつになるか分からない出番を待っていた。[br][br] 8月、商品の再発売が決定すると、まもなく完売。今月26、27日の2日間、延べ120人を乗せ、計455・8キロを走り抜けた。[br][br] 最終日の復路では、午後6時7分、定時で多くの鉄道ファンが待つ八戸駅1番ホームに到着した。乗車した神奈川県厚木市の会社員小田健太さん(24)は「沿線の景色を堪能した。リゾートうみねこの引退はさみしい」と残念がった。[br][br] 沿線にも多くのファンが集まった。陸中八木―宿戸間には約30人のカメラマンが集結。山形県天童市から訪れたファン歴10年の自営業男性(28)は「ずっと乗ってみたかった列車だったが、コロナの影響で乗れずじまいだった。最後に見に来られて良かった」と懸命にシャッターを切った。[br][br] 車両は今後、廃車となる。JR東日本盛岡支社観光推進室の小坂一将室長は「利用者の皆さんと約40年活躍してくれた車両に感謝したい」と話していた。大勢の鉄道ファンや沿線住民に見送られ、JR八戸線を駆ける「リゾートうみねこ」=27日午後5時ごろ、洋野町大浜