「防災重点ため池」423カ所 青森県、10年以内に工事着手目標

新たに「防災重点ため池」に追加されたおいらせ町黒坂谷地のため池(青森県提供)
新たに「防災重点ため池」に追加されたおいらせ町黒坂谷地のため池(青森県提供)
災害時に決壊し、人的被害を与える可能性がある「防災重点ため池」が青森県内に423カ所あり、2018年3月の140カ所から3倍となったことが27日、県への取材で分かった。豪雨災害による農業用ため池の決壊事故が相次ぎ、国が選定基準を見直したこと.....
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 災害時に決壊し、人的被害を与える可能性がある「防災重点ため池」が青森県内に423カ所あり、2018年3月の140カ所から3倍となったことが27日、県への取材で分かった。豪雨災害による農業用ため池の決壊事故が相次ぎ、国が選定基準を見直したことなどを受け、大幅に追加された。県が今月改訂した改修事業計画では、全ての工事着手の目標を10年以内とし、計画的に安全対策を進めていく方針だ。[br] ため池は農業用水を貯める施設で、県内は1706カ所に設置。築造から300年以上経過したと推定されるため池も多数あり、老朽化に対する改修事業の必要性が議論されていた。[br] 決壊事故は近年、全国各地で発生し、死者も出ている。2018年7月の関西、九州地方の豪雨では、広島や岡山など2府4県で32カ所が決壊。うち29カ所は防災重点ため池に選定されておらず、事故の巻き添えで付近の住民が亡くなったケースもみられた。[br] 青森県内でも、大雨により12年に2カ所、13年に8カ所、14年に1カ所のため池が決壊し、下流で大きな被害が発生している。[br] 国の選定基準の見直しでは、貯水量に応じて決壊時の浸水区域を設定し、区域内に家屋や公共施設があるため池を対象とした。[br] 県は昨年、防災重点ため池に該当するのは549カ所としたが、詳細に調査した結果、423カ所で確定した。県南関係では、八戸市松館や同市坂牛、おいらせ町黒坂谷地などにあるため池を新たに選んだ。[br] 県は、優先的に改修が必要なため池の情報を各自治体へ提供するほか、20年度中にため池の市町村別ハザードマップの作成を完了する。県農村整備課の増岡宏司課長は「危険度の高いため池から順番に工事を進めていきたい」と話した。新たに「防災重点ため池」に追加されたおいらせ町黒坂谷地のため池(青森県提供)