中村教授(八高専)が工学教育賞 「自主探究」への尽力評価

圓山重直校長(前列左)らと受賞を喜ぶ中村美道教授(同中央)
圓山重直校長(前列左)らと受賞を喜ぶ中村美道教授(同中央)
八戸高専(圓山重直校長)総合科学教育科の中村美道教授が、日本工学教育協会が顕彰する本年度の第24回工学教育賞を受賞した。同校が2015年度から手掛ける「15歳からの課題発見力・解決力育成の自主探究」への尽力が評価された。中村教授は受賞を喜び.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 八戸高専(圓山重直校長)総合科学教育科の中村美道教授が、日本工学教育協会が顕彰する本年度の第24回工学教育賞を受賞した。同校が2015年度から手掛ける「15歳からの課題発見力・解決力育成の自主探究」への尽力が評価された。中村教授は受賞を喜びながら、自主探究への手応えをつかんでいる。[br] 自主探究は学生に毎年、自ら好きな課題を設定して調査研究を行ってもらう取り組み。全5学年を対象にしている点は全国的にも珍しく、特に1~3年生は専門外のテーマ選択も可能。研究方法も自主性を重んじ、通常の学業や卒業研究の指導と勝手が異なるため、一般教養科目を担当する中村教授ら一部の教員が、専門のコーディネーターとしてで学生の相談に応じている。[br] 与えられた課題をこなす中学生までの学びとは大きく異なるため、「最初のうちは研究方法や、課題自体を見つけられない学生も多い」と中村教授。通常の授業でも、グループで調査するカリキュラムを採り入れるなど、自主探究に向けたヒントを与えている。[br] 5年間の試行錯誤で、大きな成果が見られたという。一つは、多様な課題解決に積極的な学生が増えたこと。「学生同士の中間発表でも、専門家さながらの鋭い質問が飛び交う。就職した卒業生の評判も上がっている」と強調する。[br] もう一つは、研究成果の評価が多様であることに学生が気付いたことだ。「学外向けの発表会では、一般市民と専門家とでは評価されるものが全く異なる。研究内容の正確さだけでなく、一般向けのプレゼンテーション能力を磨けているのでは」と指摘する。[br] 中村教授は「自主探究を魅力に感じて入学する学生もいるほど浸透した。今後も知識だけでなく、自ら研究を進める姿勢を身に付けてほしい」と話した。圓山重直校長(前列左)らと受賞を喜ぶ中村美道教授(同中央)