天鐘(9月27日)

数年前、仕事に追われてヘトヘトになったら風邪をひいた。開業医に診てもらったらインフルエンザから肺炎も併発していた。肺気腫(きしゅ)と糖尿病の基礎疾患を告げると、医師は迷わず中核病院に入院手続きを取ってくれた▼加齢もあるが、基礎疾患の持ち主に.....
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 数年前、仕事に追われてヘトヘトになったら風邪をひいた。開業医に診てもらったらインフルエンザから肺炎も併発していた。肺気腫(きしゅ)と糖尿病の基礎疾患を告げると、医師は迷わず中核病院に入院手続きを取ってくれた▼加齢もあるが、基礎疾患の持ち主にとりインフルエンザはまさに“命取り”になる。ただでも少ない肺胞が次々に壊れていくような気がした。40度近い熱が4日続き、意識が遠のいた。死線を彷徨(さまよ)ったらしい▼インフルエンザと肺炎の辛さを体験すると、秋冬向けワクチンの予防接種が待ち遠しくなる。今年も10月1日から65歳以上と60~65歳未満の慢性基礎疾患の持ち主に、26日からはそれ以外の人達への接種が始まる▼秋冬には新型コロナの感染再燃も懸念される。怖いのは“重複感染”。まれだがインフルエンザB型とダブルで罹(かか)ると重症化するケースもあるという。熱や咳(せき)の症状だけでは両者の区別がつかないのも厄介だ▼マスクや3密回避の徹底で、インフルエンザの流行は低く抑え込めそうだという。だが年間の死者は3000人超でコロナのほぼ2倍。国もワクチンの需要増を見越し、昨季比7%増の6300万人分を準備した▼重症化すれば双方命にかかわり、医療現場の混乱は必至だ。インフルエンザに罹らずコロナ対策もしっかり講じ、「来年前半」(菅首相)という待望のコロナワクチンに漕(こ)ぎ着ければ―。