フラット八戸「料金高すぎ」 地元競技団体から不満の声

今年4月にオープンした民営リンク「フラット八戸」。利用料などについて、市内の競技団体から不満の声が上がっている=八戸市尻内町
今年4月にオープンした民営リンク「フラット八戸」。利用料などについて、市内の競技団体から不満の声が上がっている=八戸市尻内町
JR八戸駅西口近くの通年型民営リンク「フラット八戸」が10月でオープンから半年を迎える。今年3月で閉館した田名部記念アリーナに代わってアイスホッケーなど氷上競技の練習場所となっており、八戸市が年間1億円以上を拠出して借り上げた時間帯の利用率.....
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 JR八戸駅西口近くの通年型民営リンク「フラット八戸」が10月でオープンから半年を迎える。今年3月で閉館した田名部記念アリーナに代わってアイスホッケーなど氷上競技の練習場所となっており、八戸市が年間1億円以上を拠出して借り上げた時間帯の利用率は6割強と、まずまずの水準。一方、それ以外の時間帯は利用料が地元公営リンクの約3倍(平日)に跳ね上がることもあり、2割弱にとどまる。地元競技団体からは「利用料が高すぎる」「借りたい時間帯を借りられない」などと不満が出ている。[br] フラット八戸をめぐっては、市が地元競技団体などの利用時間確保のため、年間1億1千万円を支払い、営業時間の約3分の1に当たる2500時間を借り上げる協定を運営会社と締結、条例化している。[br] 市が条例枠として借り上げているのは▽月、火曜の午後1時45分~午前0時15分▽水、木曜の午前5時~午後3時半▽土日祝日のうち年間24日程度、午前5時から翌日午前2時―など。[br] 条例枠の貸し切り利用料は1時間半を1枠として2万6895円。同じ市内のテクノルアイスパーク八戸(公営)は1枠2万2410円。市が競技団体を通じて年間約2000万円を補助して運営されていた田名部記念アリーナは、1枠3万7800円(高校生以下3万4650円)だった。[br] 市によると、オープン以来の条例枠利用率(5~8月)は62・7%。新型コロナウイルスの影響を考慮すれば、テクノルアイスパーク八戸の63・3%(2019年8月~20年5月)、田名部記念アリーナの43・3%(19年7月~20年3月)と比べても遜色ない。[br] ただ、条例枠以外の時間帯となると19・1%と低調。これは、フラットの条例枠以外の利用料が、平日1枠6万6000円、土日祝日7万2600円と一気に高まることも影響している。アイスホッケー競技で中学生を指導する澤口誠介さんは「条例枠以外は利用料が高すぎて使えない」と吐露する。[br] 市とフラット側が協議して決めた条例枠の時間帯設定にも不満が根強い。澤口さんは「平日の日中など、学校や仕事の時間帯は元々使いようがない。市にはより使いやすい時間帯を確保してほしかった」と話す。[br] 県アイスホッケー連盟の菊池厳弘理事長は「市は(フラット側に)利用料を支払い、土地も貸している。市民のために利用しやすい環境づくりに努めてほしい」と注文をつけた。[br] フラットは田名部記念アリーナよりも利用可能な時間が少ないという。同市のフィギュア指導者、坂本まゆみさんは「10月からは別のリンクも利用するが、フラットで練習時間を確保できないと、アイスホッケーチームとの時間調整も必要になる。競技力向上のためにも練習時間は確保したいが…」と懸念を示した。[br] 条例枠以外の時間帯について、市からも利用料値下げ要請を受けているというフラット。青山英治館長は取材に「今後のことで決まったことはないが、地元の人が利用しやすい環境づくりをしたい思いに変わりはない」と話している。[br][br] 【フラット八戸】JR八戸駅西口のにぎわい創出に向けた都市計画の一環として、八戸市が土地を30年間無償で貸し付け、民間企業のクロススポーツマーケティング(東京、中村考昭社長)が建物を建設して今年4月にオープンした。アジアリーグアイスホッケー・東北フリーブレイズの本拠地となっているほか、コンサートなど多目的アリーナとしての活用も期待されている。今年4月にオープンした民営リンク「フラット八戸」。利用料などについて、市内の競技団体から不満の声が上がっている=八戸市尻内町