天鐘(9月13日)

「スシ」「カラオケ」「スモウ」は世界で通用する日本語。「カワイイ」「モッタイナイ」も独特の文化として認知されている。意味が伝わりにくくなるため無理には英訳しない。「ツンドク」もその一つ▼漢字で表記すると「積ん読」。興味を抱いて買ったものの、.....
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 「スシ」「カラオケ」「スモウ」は世界で通用する日本語。「カワイイ」「モッタイナイ」も独特の文化として認知されている。意味が伝わりにくくなるため無理には英訳しない。「ツンドク」もその一つ▼漢字で表記すると「積ん読」。興味を抱いて買ったものの、未読で放置している本や雑誌の数々である。数百冊という猛者もいるらしい。机や枕元に高い山がそびえる。読書家の方ほど身に覚えがあるだろう▼「積んでおく」に「読む」をかけた造語。概念は既に江戸時代に存在したとされる。インターネットを積極的に活用する現代に至って、宅配で受け取ったままの「包ん読」、注文を失念する「頼ん読」と応用される▼本との出会いは一期一会なのだ。そもそも棚が小さすぎる。ページをめくりさえすれば一気読みできる―。断捨離を迫られた際の言い訳である。時として非難の的となるのだが、必ずしも悪癖ではないらしい▼嶋浩一郎さんは書店員による文学賞「本屋大賞」の仕掛け人。積ん読について「自分の知りたいことや欲求の鏡」と擁護する。心強いお言葉である。いずれにせよ豊富な蔵書を無駄にしないよう自らを戒める▼12日に弊社で「ビブリオバトル」の予選会が開かれた。イチオシの本を持ち寄った書評合戦。ゲーム感覚で、熱い思いが伝わって面白い。なるほど「聞き読」である。いや「聞き得」か。決勝は11月14日。