八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟の2019年度の実質的な収支に関し、「議会説明が優先」と報道機関への説明を拒んでいた市水産事務所は11日、市議会決算特別委員会で、委員からの質問を受け、初めて内容を公表した。決算委では、市側の情報公開や説明の在り方などを指摘する声が噴出。ただ、同事務所は議員にいち早く情報を知らせる方法については検討する意向を示した一方、報道対応は従来のスタンスを維持する考えを強調した。[br] A棟の収支について、同事務所はこれまで、「議会優先」を理由に報道機関への説明を拒否。決算委などで質問が出なければ、議会が閉会する17日まで公表しない方針を示していたが、11日の決算委で、山名文世委員(新緑・無所属)が収支状況について質問したため、内容を公表した。[br] 山名委員は、質問に合わせ、市側の説明方法や報道対応に言及。「A棟問題は市民が求めている情報。(議会より前に)報道機関に説明したなら、公表した旨を通知する制度に変えたらいい」とした上で、「(議会優先の)古い慣例を引きずり発表しないのはさらに批判を招く。議員も早く情報を知ることで、いろいろな意見を言うこともできる」と訴えた。[br] このほか、藤川優里委員(自民・市民ク)も「A棟の問題は一筋縄ではいかない長期戦。理解を得るためにも、それぞれの立場の方に丁寧な説明を徹底すべきだ」と注文を付けた。[br] ただ、同事務所の茨島隆所長は「これまでは市民の代表である議会に説明した上で、報道機関に対応する姿勢でいた。提案を受け、対応を検討する」と、議員説明の在り方については見直しを検討する考えを示唆したものの、報道対応に関しては、終了後の取材に従来通りとする認識を示した。