桃、リンゴ、コーン… クマ食害深刻/青森県内

畑に侵入しリンゴを食べるツキノワグマ=8月3日、三戸町斗内(センサーカメラで撮影、三戸町提供)
畑に侵入しリンゴを食べるツキノワグマ=8月3日、三戸町斗内(センサーカメラで撮影、三戸町提供)
青森県内でクマによる農作物への食害が相次いでいる。9日までに県に報告があったのは34件と、既に前年度の総数25件を上回っている。三八地域でも桃やリンゴ、トウモロコシなどの被害が確認されており、生産者らはさらなる拡大を懸念する。 「畑に行った.....
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 青森県内でクマによる農作物への食害が相次いでいる。9日までに県に報告があったのは34件と、既に前年度の総数25件を上回っている。三八地域でも桃やリンゴ、トウモロコシなどの被害が確認されており、生産者らはさらなる拡大を懸念する。[br] 「畑に行ったら桃の種とクマのふんだらけ。30本近くの木で枝を折られたよ」 三戸町内の男性農家(67)の園地はお盆の前後に6、7回、クマの食害にあった。近年、被害はなかったが、今年は近隣一帯の園地がクマに襲われたという。[br] 花火での撃退も試したが、実際に侵入する夜間は近所迷惑となるため使えず、効果は薄い。今後は梨やリンゴが収穫期を迎えるため、「被害が続けば死活問題。何とかならないだろうか」と案じている。[br] 同町農林課によると、クマの食害は8月までに13件確認された。前年同期の17件より少ないが、樹木が傷付く大きな被害が増え、被害額は約3・5倍の123万円となった。[br] 対策として同町は、これまでに箱わなで3頭を捕獲。集落の近くで被害や目撃があった場合は防災無線で警戒を呼び掛ける。[br] 関係者によると、今年は雪解けが早かった影響で、春先からクマが餌を求めて活動範囲を広げ、農作物に味をしめた可能性があるという。食害は8月末現在で三戸町のほか、田子町で18件、新郷村で13件、八戸市と五戸町で各2件確認されている。被害があっても市町村に連絡しない人もおり、実態はさらに多いとみられる。[br] 一方で、駆除に当たる地元猟友会は、会員の高齢化により人手の確保に苦慮する。餌にありついた場所に繰り返し来るクマもいることから、注目が高まっているのが園地での防止策だ。三戸町は被害の多い飼料用トウモロコシで電気柵の導入を模索中。同町の担当者は「本来、捕獲は最後の手段。クマが来ないよう対策を取ることが重要」と強調する。畑に侵入しリンゴを食べるツキノワグマ=8月3日、三戸町斗内(センサーカメラで撮影、三戸町提供)