六ケ所村は8日、2025年度末の完成を目指す新庁舎について、建設基本構想の素案を明らかにした。建設候補地として現庁舎の立地場所も含めた7カ所を提示した上で、概算の総事業費は51億2500万円とした。今後、村民や有識者による検討委員会を立ち上げた上で、基本構想や基本計画を策定する方針。[br] 同日開かれた村議会総務企画常任委で、村側が説明した。[br] 村によると、現在の庁舎は1974年に建設。増築や改装などを行っているが老朽化が進んでいたため、庁内で新庁舎建設に向けた検討を行っていた。[br] 素案では、津波や原子力災害を想定した防災拠点としての機能を充実させることや、住民が利用しやすいワンストップ型の総合窓口を目指すことなどを基本的な考え方として明記。また、住民サービス向上のため、ホテルやコンビニ、消防署などとの複合的な整備も考えられるとした。[br] 建設候補地としては、住民の利便性や災害特性などを考慮し、現庁舎が立地する場所や出戸地区地域交流ホーム周辺、尾駮レイクタウン北側などA~Gの7地区を選定した。ただ、いずれも東北電力東通原発や使用済み核燃料再処理工場の緊急時防護措置準備区域(UPZ)範囲内にあるため、今後の検討によっては別の場所になる可能性もあるとする。[br] 事業費については現庁舎の解体費などをも含めて算出した。財源は村が16年度から毎年5億円積み立てている基金を活用する方針。基本構想と基本計画の策定に向けては、プロポーザル方式で公募した業者に素案を精査してもらった後、村民らによる検討委で審議する。