完工1年延期「画餅ではない」 原燃・増田社長に聞く

使用済み核燃料再処理工場の完工目標の延期などについて説明する増田尚宏社長=1日、青森市
使用済み核燃料再処理工場の完工目標の延期などについて説明する増田尚宏社長=1日、青森市
日本原燃の増田尚宏社長は1日、本紙のインタビューに応じた。8月下旬に表明した使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)の完工1年延期について、「絵に描いた餅ではない」と強調。安全対策工事を進める上で必要な認可(設工認)の審査に言及し、「設備の類型.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 日本原燃の増田尚宏社長は1日、本紙のインタビューに応じた。8月下旬に表明した使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)の完工1年延期について、「絵に描いた餅ではない」と強調。安全対策工事を進める上で必要な認可(設工認)の審査に言及し、「設備の類型化の考え方さえまとまれば、スムーズに進められる」と完工目標の実現に自信をのぞかせた。[br] 原燃は再処理工場の完工時期を2022年度上期に先送りした。目標実現には、最低1年程度と見込まれる設工認の審査を効率的に進める必要がある。[br] 現在、原子力規制委員会と審査の進め方を議論しているが、8月31日の会合で規制委は設備の類型化に関する原燃の説明に対し、「相当な改善が必要」と苦言を呈した。[br] 増田社長は不備を認めつつ「考え方の整理はしていたが、書類での表現が物足りなかった」と釈明。10月の審査申請までに整理を終えられる―とした。[br] 今回の延期で工期に余裕を持たせなかったとし、「目標に幅を持たせると、いつまでに仕上げるべきかぼやけてしまう」と指摘。目標実現は十分に可能―との認識を改めて示した。[br] 一方、原燃では17年夏に判明した設備未点検問題のほか、最近では高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設(同村)での送排風機停止などトラブルが続いている。[br] 増田社長は「就任以前は協力会社などに現場を任せきりにしていたが、社員の意識は変わりつつある」と説明。送排風機停止で問題となったマニュアルに記載された内容の曖昧さを踏まえ、核燃料サイクル施設全体でマニュアルや手順書の見直しに着手する考えを述べた。使用済み核燃料再処理工場の完工目標の延期などについて説明する増田尚宏社長=1日、青森市