大間原発、工事開始2年延期へ/電源開発、来週中にも正式発表

電源開発(Jパワー)が大間町で建設中の大間原発について、安全対策工事の開始時期を2020年後半から22年後半に2年程度延期する方向で調整していることが1日、複数関係者への取材で分かった。新規制基準の審査が長期化しているのが理由。26年度ごろ.....
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 電源開発(Jパワー)が大間町で建設中の大間原発について、安全対策工事の開始時期を2020年後半から22年後半に2年程度延期する方向で調整していることが1日、複数関係者への取材で分かった。新規制基準の審査が長期化しているのが理由。26年度ごろとしてきた運転開始時期も28年度ごろに先送りする見込み。正式決定した上で、来週中にも関係自治体に報告する見通しだ。[br] Jパワーは18年9月にも当時の目標を2年程度先送りしており、今回で工事の延期は通算4度目となる。[br] 大間原発は旧規制当局の安全審査を経て、08年5月に着工したが、11年の東日本大震災の影響で本体工事を中断。その後、一時的に工事を再開したが、新規制基準が施行されたことを受け、現在は原子力規制委員会の審査を受けている。[br] Jパワーは、序盤のヤマ場とされる基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)や、基準津波(想定される最大規模の津波)の設定を終えられていない。審査に進展は見られるものの、施設の安全性に関する議論も残り、工事の延期は不可避な情勢だった。[br] 大間原発は、全炉心でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うことができる世界初の商業用原子炉。MOX燃料を炉心の一部で利用する通常の原発と比べて、3~4倍の核分裂性プルトニウム(約1・1トン)を消費でき、プルトニウム消費の“切り札”と目されている。