天鐘(9月1日)

きょう1日は「防災の日」。災害への心構えを新たにしようというこの日は、1923(大正12)年9月1日に起きた関東大震災と、この時期が台風シーズンに当たることから制定された▼台風の発生は7月から10月に集中する。中でも9月は日本列島に上陸しや.....
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 きょう1日は「防災の日」。災害への心構えを新たにしようというこの日は、1923(大正12)年9月1日に起きた関東大震災と、この時期が台風シーズンに当たることから制定された▼台風の発生は7月から10月に集中する。中でも9月は日本列島に上陸しやすい月だ。太平洋高気圧が弱まることで「通り道」ができるという。今も「9号」の動向が気になるところだ▼9月の台風といえば、忘れられないのが1991(平成3)年の「19号」だろう。暴風が吹き荒れ、津軽の果樹園を一夜にして全滅させた、あの「リンゴ台風」である。その風のすさまじさは、30年近くたった今でも記憶に鮮明だ▼専門家によると、その進路は最悪だった。猛烈な勢力のまま日本海を北上、暴風域が列島を舐め尽くした。速度が速く、対策も不十分。「何とかそれて」と願う間もなく、農家は奈落に突き落とされた▼果実が色づき、稲穂が頭を垂れ始める9月。実りの季節を前に心しておきたいのは、過去の苦い体験から学んだ備えの大切さであろう。農家ならずとも、大風の向きに気を配り、進路を読み誤らぬ注意深さが必要だ▼折しも、政治の9月にも、新たな風が吹き始めようとしている。7年8カ月もの「1強」の後を、誰がどう歩むのか。中継ぎ、貧乏くじなどと言われるが、コロナをはじめ課題は山積。新リーダーの「進む道」も、早くも気になる。