早期解散・総選挙に緊張高まる/青森県政界

安倍晋三首相の退陣表明を引き金として、青森県内でも早期の衆院解散・総選挙の可能性も視野に緊張感が高まっている。県内の小選挙区3議席を独占する自民党は、唐突な首相辞任に加え、政府の新型コロナウイルス対策などへの批判にさらされながらも全議席死守.....
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 安倍晋三首相の退陣表明を引き金として、青森県内でも早期の衆院解散・総選挙の可能性も視野に緊張感が高まっている。県内の小選挙区3議席を独占する自民党は、唐突な首相辞任に加え、政府の新型コロナウイルス対策などへの批判にさらされながらも全議席死守を目指す。対する野党勢力は立憲民主党と国民民主党の合流新党が来月16日にも結党の運びで、政権奪取へ態勢構築を急ぐ。来る政治決戦を前に、野党の県内組織で停滞していた候補者選考や共闘の動きが再び活発化する可能性もある。[br] 自民は県内3小選挙区のうち、特に県都・青森市を含む1区で警戒を強めている。[br] 前回(17年)の衆院選では、選挙区の区割り変更もあり、選挙のたびに比例区と小選挙区で候補者を入れ替える「コスタリカ方式」を導入。立候補を予定する県連会長の現職江渡聡徳氏(64)=比例東北=にとっては旧2区から“国替え”後、初の選挙となる見通しのためだ。[br] ある自民県連幹部は「1区はがっぷり四つの戦いになるだろう。逆風の中でもあり、気を引き締めないといけない」と現状を厳しく分析し、危機感をあらわにする。[br] 8選を視野に入れるベテランの江渡氏だが、1区では決して知名度が高いとは言えず、「県連会長に万が一のことがあってはいない」と自民県連関係者。今後、1区に地盤があり、次は比例東北から出馬予定の津島淳衆院議員(53)と連携を深め、浸透を図りたい考えだ。[br] 2区は衆院議長の大島理森氏(73)、3区は木村次郎氏(52)の両現職が出馬する見通し。[br] 一方、長期政権の突然の幕引きに、県内で議席確保を狙う野党側は「いつ総選挙があってもおかしくない状況だ」と態勢構築へ動きを加速させる。 立民と国民の合流新党は、1区に元職升田世喜男氏(63)、3区に立民県連代表の新人山内崇氏(65)が立候補を予定。共産は新人齋藤美緒氏(40)が1区への出馬を準備する。[br] だが、立民と国民の県連同士の協議は始まっておらず、社民党、共産党も含めた野党共闘に向けた動きは足踏み状態。現時点で1区は競合が確実な情勢で、各党共に「候補者一本化が必要」との認識は共有しているものの、党本部間の協議を含め、最終的な調整時期の見通しは立っていない。[br] 候補者が不在の2区への擁立も課題だ。 国民県連代表の田名部匡代参院議員は「1対1の構図をつくることが重要だ」と強調。それでも非自民の受け皿として一枚岩になるには、政策のすり合わせや組織づくりなど乗り越えるべきハードルが残る。[br] 共産は現職高橋千鶴子氏(60)が比例東北に立候補を予定する。