種市図書館司書の平さん、「認定司書」に 北奥羽で初 

認定司書資格を取得した平留美子さん 
認定司書資格を取得した平留美子さん 
洋野町立種市図書館司書の平留美子さん(49)=階上町在住=が、北奥羽地方で初となる「認定司書」の資格を取得した。住民に図書館をより身近に感じてもらえるよう、幼少期からの読書環境づくりや幅広い分野のイベント開催などに尽力してきた平さん。今後は.....
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 洋野町立種市図書館司書の平留美子さん(49)=階上町在住=が、北奥羽地方で初となる「認定司書」の資格を取得した。住民に図書館をより身近に感じてもらえるよう、幼少期からの読書環境づくりや幅広い分野のイベント開催などに尽力してきた平さん。今後は「地域の垣根を越え、図書館同士をつなげる活動をしたい」と張り切っている。[br] 認定司書制度は、図書館経営の中核となる人材を育てようと、日本図書館協会が2010年から実施。▽公立図書館などでの10年以上の実務経験や研修参加▽論文などの著作がある―など申請には高い基準があり、認定者は全国で175人(今年4月現在)にとどまる。認定司書は一般司書の指導的立場を担う。[br] 平さんは、洋野町種市出身。小、中学校時代は学校図書室の蔵書を読破してしまうほどの“本好き”で、幼い頃は「図書館に住みたい」と思っていたという。1995年に町職員となり、種市図書館の司書を24年にわたり務めている。[br] 読書や図書館に興味を持ってもらおうと、さまざまな分野の講座や、著名人を招いての講演イベントなどを積極的に企画、実施してきた。来月に50歳の節目を迎えるに当たり「今までの司書活動を振り返り今後に生かしたい」と認定司書に申請、今年4月に認定を受けた。[br] 平さんが力を入れていることの一つが、幼少期からの読書環境づくりだ。自身の子育てをきっかけに興味を持ったという。図書館で行う親子向けの読み聞かせ会では、本を読むだけではなく、本に登場する生き物をバルーンアートで作ったり、クイズを織り交ぜたりしながら、子どもたちに飽きが来ないように工夫している。[br] 「図書館は勉強する所というイメージが強い。子どものうちに、図書館は楽しい所だという印象付けができれば、大きくなったときに利用しやすくなると思う」と話す平さん。発達状況に応じたプログラムを提供するため、2年前には保育士資格も取得した。[br] ヨガ体験講座やステンドグラス製作体験、占い講座など、住民向けの講座やイベントも趣向を凝らしている。図書館とはなじみがない内容にも思えるが、「いろいろな分野の本があるのが図書館。関連する本さえあればどんな催しもできる」と話す。多彩な催しをきっかけに新たな層を取り込み、来館の敷居を下げたいと考えている。[br] 認定司書資格の取得を機に、今後は青森県南地方など近隣図書館との交流を進めていく考え。「地域の垣根を越えて図書館業界がつながることで、利用する人の世界も広がる。地域の活性化にもつなげていければ」と決意を新たにしている。認定司書資格を取得した平留美子さん