高レベル貯蔵管理施設が正式合格/原燃、完工を21年度上期に延期

原子力規制委員会は26日の定例会合で、日本原燃の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設(六ケ所村)が新規制基準に適合しているとする「審査書」を確定した。青森県内の原子力施設で新基準の審査に正式合格したのは、ウラン濃縮工場と使用済み核燃料再処理工場.....
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 原子力規制委員会は26日の定例会合で、日本原燃の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設(六ケ所村)が新規制基準に適合しているとする「審査書」を確定した。青森県内の原子力施設で新基準の審査に正式合格したのは、ウラン濃縮工場と使用済み核燃料再処理工場(いずれも同村)に続いて3例目。一方、原燃は審査合格で安全対策工事の物量が確定したことを受け、工事の完了時期を今年11月から2021年度上期に延期すると発表した。[br] 原燃は14年1月に審査を申請。6年半の審査期間を経て、規制委は今年7月29日の定例会合で、原子力規制庁が提示した審査書案を経済産業相に意見照会することを決めた。同様の施設が併設される再処理工場で一般から意見公募を行ったため、貯蔵管理施設では実施しなかった。[br] この日、規制庁が経産相から8月18日付の文書で「許可することに異存はない」との回答を得たと説明。5人の委員全員が審査書確定に同意した。 同施設は、国が使用済み燃料の再処理(化学処理)を英国とフランスに委託し返還されたガラス固化体を一時保管する施設。1440本を収納できる建屋が2棟あり「受け入れた日から30~50年」の期限付きで1830本を貯蔵している。[br] 1995年4月に最初に返還されたフランス分の貯蔵期限は残り25年を切っている状況。現在は対策工事を優先するため、16年10月を最後に新たな受け入れを停止している。[br] 原燃は、再処理工場などと共用の排気設備「北換気塔」の耐震補強工事に時間を要するため―と延期の理由を説明。本年度内に工事の設計や方法の認可(設工認)を受けた上で、必要な工事に着手する工程を示した。[br] 原燃は「審査で約束した安全性向上対策を確実に現場に反映し、地域に安心してもらえるよう施設を造り上げていく」とコメントした。