希望の大輪に笑顔 関係者一丸で成功裏に/八戸花火大会

新型コロナウイルスの感染予防策が講じられた八戸花火大会。夜空に咲く大輪に市民は感染終息の願いを重ねた=23日、八戸市の館鼻岸壁
新型コロナウイルスの感染予防策が講じられた八戸花火大会。夜空に咲く大輪に市民は感染終息の願いを重ねた=23日、八戸市の館鼻岸壁
新型コロナウイルスの影響でさまざまなイベントの中止が相次ぐ中、夏の風物詩・八戸花火大会が23日夜、八戸市の館鼻岸壁で開かれた。新型コロナの感染予防と自粛ムードの高まりで“寂しい夏”を余儀なくされた八戸の夜空に咲いた5670(コロナゼロ)発の.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 新型コロナウイルスの影響でさまざまなイベントの中止が相次ぐ中、夏の風物詩・八戸花火大会が23日夜、八戸市の館鼻岸壁で開かれた。新型コロナの感染予防と自粛ムードの高まりで“寂しい夏”を余儀なくされた八戸の夜空に咲いた5670(コロナゼロ)発の大輪の花。市民は夜空を焦がす花火に悪疫退散の願いを重ねた。一方、コロナ禍での開催方法を模索し、準備を進めてきた大会関係者は大きな混乱なく終了したことに安堵(あんど)の表情を浮かべた。[br] 今年のテーマは「まちを照らせ!希望の大輪」。大玉を中心に色とりどりの花火が打ち上げられ、悪疫退散のご利益があるとされる妖怪「アマビエ」をモチーフにした花火も登場。医療従事者へのエールを送る青色の花火も上がり、会場では大きな拍手がわき上がった。[br] 家族と一緒に来た八戸市立城北小1年の舘蒼介君(7)と夏緋ちゃん(6)きょうだいは「とてもきれいで楽しかった」と笑顔。母親の亜季子さん(32)は八戸三社大祭の山車運行など多くのイベントが中止になったことに触れ「(花火大会が)今年最初で最後のお祭りのようなもの。子どもたちに見せられてよかった」と笑みを浮かべた。[br] 「3密」を避けるため、離れた場所から楽しむ市民も多かった。同市鮫町では住民有志らが「コロナお別れの会」と題した観賞会を開催。約20人が夜空を彩る花火を見つめた。発起人の中村忠次郎さん(72)は「暗い気持ちを花火のように発散させて地域が元気になれば」と早期のコロナ終息を願った。[br] コロナ禍の中で準備を進めてきた大会関係者の思いもひとしおだ。4月に全国に緊急事態宣言が発令され、例年より準備期間が短い上に「3密」対策など感染予防策に腐心。8月に入り、全国的に感染者が急増したこともあって最後まで予断を許さず、開催自体を疑問視する声も寄せられた。[br] それでも地元企業などからの協賛金や会場ボランティアは多く集まり、市民一丸となって開催にこぎ着けた。八戸青年会議所メンバーらで組織する実行委員会の杉澤惟成(ただのり)委員長(37)は「批判の一方、励ましの声も多くもらった。多くの市民の協力で打ち上げることができた」とすがすがしい表情。「できる限りの予防対策を講じた。あとは花火大会由来の感染者が出なければ本当の意味での成功になる」と力を込めた。[br] 打ち上げを担当した青森花火(十和田市)の花火師野村孝さん(39)は「全国的に花火大会が中止になる中、開催できたことは花火師にとってもうれしい。花火を見て市民が元気になってくれれば」と話した。新型コロナウイルスの感染予防策が講じられた八戸花火大会。夜空に咲く大輪に市民は感染終息の願いを重ねた=23日、八戸市の館鼻岸壁