【新型コロナ】静かなお盆休みの様相、自主的に帰省を見送る県出身者も

帰省客が少ない改札口。毎年多くの人が行き交う帰省シーズンも、今年は新型コロナウイルスの影響により、静かなお盆休みになりそうだ=9日午後1時ごろ、八戸駅
帰省客が少ない改札口。毎年多くの人が行き交う帰省シーズンも、今年は新型コロナウイルスの影響により、静かなお盆休みになりそうだ=9日午後1時ごろ、八戸駅
青森県内は夏祭りシーズンも終わり、本来なら帰省ラッシュが始まるころだが、今年は新型コロナウイルスの影響により、静かなお盆休みとなる様相を見せている。三村申吾知事は4日の定例会見で、国の対応に基づき、移動の制限は求めない考えを示したが、「自分.....
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 青森県内は夏祭りシーズンも終わり、本来なら帰省ラッシュが始まるころだが、今年は新型コロナウイルスの影響により、静かなお盆休みとなる様相を見せている。三村申吾知事は4日の定例会見で、国の対応に基づき、移動の制限は求めない考えを示したが、「自分が感染源になってしまったら」との不安から自主的に帰省を見送る県出身者も多い。古里で暮らす家族も寂しい気持ちを抱きながらもリスクを考えれば、複雑な心境。コロナ禍でオンライン上での面会は広がりつつあるが、操作に慣れない高齢者も多く、春に続いて離れて住む家族にとってつらい連休となりそうだ。[br] 「帰りたいけれど、もし自分が感染していたら家族に迷惑がかかってしまう」[br] 八戸市出身で埼玉県で暮らす会社員の男性(39)は毎夏、妻と子どもを連れて地元で過ごすのが定番となっている。しかし、今年は状況を鑑みて帰省を取りやめた。[br] 子どもたちへの感染を避けたいという思いもあるが、地方で感染者が出た場合の“犯人探し”が気になっていた。過去に八戸で感染者が出た際、インターネット上で個人を特定しようとする書き込みを多く見た。「差別的な扱いを受けているようだったし、何より地元で暮らす家族につらい思いをさせてしまう」。両親も納得してくれた。[br] 「子どもたちも八戸に行くことを毎年楽しみにしていたが、今は我慢してもらうしかない」とため息。「夏が来たのに、来てないような不思議な感覚。来年は何も気にせず、楽しめるような夏になってほしい」と願った。[br] 同市在住の会社員の男性(52)は、首都圏で暮らす娘2人に、今年は帰省しないよう電話で伝えた。「離れて暮らしていて不安は尽きない。駅や新幹線の車内など人で混雑する場を避けてほしかった」と思いを語る。[br] 5月のゴールデンウイークも2人は帰ることができず、正月以来会っていない。そこで、家族とオンライン上での食事会を定期的に実施。家族の絆を守る大事なツールとして重宝しているが、「きちんと聞こえているか不安で、どうしても声が大きくなってしまい、周りからうるさいと怒られている」と苦笑いする。[br] お盆期間中は会食に加え、墓参りの様子もスマートフォン越しに伝える予定。「オンラインでの墓参りも娘たちが提案してくれ、その気持ちが何よりもうれしかった。寂しいが、それも今だけと思えば耐えられる」と力を込めた。帰省客が少ない改札口。毎年多くの人が行き交う帰省シーズンも、今年は新型コロナウイルスの影響により、静かなお盆休みになりそうだ=9日午後1時ごろ、八戸駅