旧日本軍海防艦「稲木」の鉛筆画奉納/乗組員遺族の山本さん

海防艦「稲木」の鉛筆画を奉納した、戦没者遺族の山本敏夫さん(中央)と、鉛筆艦船画家の菅野泰紀さん(左)
海防艦「稲木」の鉛筆画を奉納した、戦没者遺族の山本敏夫さん(中央)と、鉛筆艦船画家の菅野泰紀さん(左)
1945年8月9日早朝、米海軍機の集中攻撃を受けて八戸沖で沈没した、旧日本軍の海防艦「稲木」の追悼慰霊祭が9日に行われるのを前に、同艦乗組員遺族の山本敏夫さん(38)=大阪市在住=が7日、同艦の鉛筆画「八戸の盾―海防艦稲木2605―」を、八.....
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 1945年8月9日早朝、米海軍機の集中攻撃を受けて八戸沖で沈没した、旧日本軍の海防艦「稲木」の追悼慰霊祭が9日に行われるのを前に、同艦乗組員遺族の山本敏夫さん(38)=大阪市在住=が7日、同艦の鉛筆画「八戸の盾―海防艦稲木2605―」を、八戸市鮫町の蕪嶋神社に奉納した。[br] 山本さんは、2018年3月に鉛筆艦船画家の菅野泰紀さん(37)=大阪市在住=に絵画制作を依頼。例年慰霊祭を行っている同神社の再建と戦後75年の節目に合わせて絵画を奉納した。[br] 絵画は資料や同型艦の写真などを基に描かれ、犠牲者の数にちなみ、29羽のウミネコが飛び交う様子が加えられている。[br] 同艦乗組員だった山本嘉吉さん=当時(18)=は、敏夫さんの祖父の弟で島根県出身。くしくもウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている同県出雲市の経島(ふみしま)の近くで育ったという。[br] 敏夫さんは「(嘉吉さんが)八戸にいる間、蕪島のウミネコの鳴き声を聞いて故郷を思っていたのではと思うと、不思議な縁を感じる。遺族として、こうした出来事を後世に伝えていけたら」と話した。[br] 奉納を見届けた菅野さんは「船上で亡くなった乗組員たちを思い、懸命に描いた。戦争の記憶は薄れつつあるが、絵画を通じて慰霊を続けていきたい」と力を込めた。海防艦「稲木」の鉛筆画を奉納した、戦没者遺族の山本敏夫さん(中央)と、鉛筆艦船画家の菅野泰紀さん(左)