三内丸山遺跡発掘調査委員会、調査状況を説明/溝状遺構、本州の縄文遺跡では珍しい集落を区画する溝だった可能性も

調査現場を見学する委員ら。点線で囲まれた部分が溝状遺構の一部=28日、青森市の三内丸山遺跡
調査現場を見学する委員ら。点線で囲まれた部分が溝状遺構の一部=28日、青森市の三内丸山遺跡
世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産である三内丸山遺跡(青森市)について、青森県教委は28日、同市で発掘調査委員会を開き、本年度の発掘調査(第44次調査)の状況を説明した。出席した委員は、遺跡北側で出土した溝状遺.....
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 世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産である三内丸山遺跡(青森市)について、青森県教委は28日、同市で発掘調査委員会を開き、本年度の発掘調査(第44次調査)の状況を説明した。出席した委員は、遺跡北側で出土した溝状遺構が縄文時代の遺跡では珍しい集落を区画する溝だった可能性を指摘した。[br] 委員会は大学教授ら専門家で構成。この日は8人が出席し、調査現場を見学して溝状遺構の範囲などを確認した。[br] 溝状遺構は二つ並行して出土し、造られた時期や範囲の解明が課題となっている。調査担当者は、溝状遺構内部に堆積した土に含まれる炭化物を分析した結果などを踏まえ、縄文中期の遺構であることが分かった―と報告。付近に沢があったことから「沢へ下りる通路のようなものではないか」との見方を示した。[br] 一方、小林克委員長(元秋田県埋蔵文化財センター所長)は、溝が竪穴建物などがある台地の周縁から見つかっており、「何かしらを区画していたものだろう」と指摘。ムラを囲む溝状の施設は弥生時代の「環濠集落」で出てくるのが一般的で、縄文時代の本州の遺跡では珍しい―とし、「三内丸山遺跡で見つかることは大きな意味を持つ。その可能性も十分に考えて調査してほしい」と述べた。[br] 発掘調査は9月30日まで行われる。19日には現地説明会を実施する予定。調査現場を見学する委員ら。点線で囲まれた部分が溝状遺構の一部=28日、青森市の三内丸山遺跡