天鐘(7月16日)

呼び出しの一番太鼓は、やぐらの上から夜明け前に打つ。これから相撲が始まることを知らせるためだ。響く音色は「ドンと来い、ドンと来い」。大勢のお客さんを手招きする▼新型コロナの影響で夏場所が中止になった大相撲。今度の日曜日に晴れて七月場所の初日.....
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 呼び出しの一番太鼓は、やぐらの上から夜明け前に打つ。これから相撲が始まることを知らせるためだ。響く音色は「ドンと来い、ドンと来い」。大勢のお客さんを手招きする▼新型コロナの影響で夏場所が中止になった大相撲。今度の日曜日に晴れて七月場所の初日を迎える。注目の新大関のお披露目であり、人気の小兵も土俵に戻ってくる。好角家には待ち遠しい触れ太鼓だ▼とはいえ、今場所は威勢よく「ドンと来い」とは鳴らせない。感染防止のため観客は定員の4分の1、2500人で札止めだ。熱くなっても掛け声はご法度、お酒も自粛。多くの規制の中で異例の観戦となる▼もっとも、当初の予定は「無観客」だった。先んじて「観客あり」に踏み切ったプロ野球やJリーグが背中を押した。国技・大相撲もやはり興行、ファンも力士もありがたい。片や、東京の感染者はまた増えている▼三段目力士が死亡する出来事があった。「力士は健康な体の象徴」という八角理事長の言葉があっただけに衝撃だった。裸と裸のぶつかり合いには心配の声もある。必要なのは慎重の上にも慎重を重ねることだ▼まずは千秋楽までの無事である。無論、そのためには見る側の協力も欠かせない。取組後のはね太鼓は、お帰りを促す「テンデンバラバラ」。対応がそうだったと後で指摘されぬよう、関係者も客もふんどしをしっかり締めて臨みたい。