「負けない。」いざ“最後の夏へ”高校野球 出場揺れた八高専

7日に練習を再開し、わずか1週間で夏季青森県高校野球大会に臨む八戸高専の球児たち。ミーティングで勝利への意志を確認し合った=10日、八高専グラウンド
7日に練習を再開し、わずか1週間で夏季青森県高校野球大会に臨む八戸高専の球児たち。ミーティングで勝利への意志を確認し合った=10日、八高専グラウンド
新型コロナウイルスの影響で見送られた、今夏の全国高校野球選手権大会(甲子園)に代わり、14日に開幕する夏季青森県高校野球大会。直前まで参加か、不参加かに揺れたのが八戸高専だ。“最後の夏”に懸ける3年生らの熱意が学校に届き、練習相手を買って出.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 新型コロナウイルスの影響で見送られた、今夏の全国高校野球選手権大会(甲子園)に代わり、14日に開幕する夏季青森県高校野球大会。直前まで参加か、不参加かに揺れたのが八戸高専だ。“最後の夏”に懸ける3年生らの熱意が学校に届き、練習相手を買って出た先輩たちの後押しもあって夏の舞台に立つ。部員15人は、野球ができる喜びをかみしめ、16日の青森東との初戦に臨む。[br] 同校野球部は3年10人、2年5人の15人。1年の入部希望者もいるが、本年度の活動がほとんどできておらず、まだ正式に加入すら認められていない状況だ。[br] 同校によると、部活動を休止したのは3月上旬。学生寮を備えるため、集団感染のリスクが考慮された。対面での授業は6月初旬に始まったが、試験週間もあり、屋外の部活動の再開は7月からとなった。[br] 「いつ野球ができるのか」。練習ができない間、同校の球児たちは不安な日々を過ごした。拍車を掛けたのが、6月初旬に目にした、夏の代替大会開催を伝える新聞記事だった。「自分たちは試合がしたかったが、うちだけが出場保留となっていた」。下村瑠也主将は部員たちと話し合い、校長へ直談判する準備を進めたという。大会に懸ける思いに動かされた顧問らが、学校側へメンバーの声を届け、出場の道が開かれた。[br] ただ、練習再開はほかの部と同様で、大会の約1週間前の今月7日から。平日の放課後の約1時間に限られた。ライバルチームは5月中旬から練習を再開し、対外試合を重ねていた。[br] 「なんで僕たちだけ」。主戦を務める竹井駿太副主将は、残された時間の少なさを嘆いたこともあったというが、「本来の調子を少しでも取り戻せるよう、やれるだけのことをやる」と目の前の目標に集中し、気持ちを切り替える。[br] ひた向きな姿を見て、先輩たちも立ち上がった。2017年秋季県大会で同校初の4強へ導いた5年生らが、8日に実戦形式の練習で胸を貸した。2年前に主将を務めた石村康大さんは「自分たちが3年の時に支えてもらった後輩たち。少しでも力になりたい」とエールを送る。[br] 選手たちは練習不足を言い訳にするつもりはない。10日の練習後のミーティングで石塚将一監督(44)は「やれることは限られているが、できるだけのことをして、勝ちを狙いにいこう」と鼓舞。下村主将は「先輩たちにも助けられ、感謝しかない。出るからには勝ちたい」と力を込めた。7日に練習を再開し、わずか1週間で夏季青森県高校野球大会に臨む八戸高専の球児たち。ミーティングで勝利への意志を確認し合った=10日、八高専グラウンド