青森市は13日、10日に新型コロナウイルス感染を確認した派遣型風俗店に勤務する20代接客業女性について、濃厚接触者に当たる利用客25人と同僚の従業員2人の計27人を特定したことを明らかにした。このうち利用客2人と従業員2人の男性4人は、13日までのPCR検査で陰性だった。今後、連絡が取れた利用客の男性5人についても検査を行う予定。残る18人とは連絡が取れておらず、市が確認を急いでいる。[br] 女性は茨城県在住。3日に東京都新宿区の歌舞伎町にあるホストクラブを利用した後、4日から仕事で青森市内に滞在し、8日まで業務に従事した。 これまで市の聞き取りでは、女性が接客した利用客は約30人、従業員は約5人だった。利用客のリストなどが手に入らず特定が難航していたが、13日までに風俗店側と連絡が取れて、リストの提供を受けた。[br] 市は風俗店の店名を公表していない。同日、会見した小野寺晃彦市長は「(店側から)店名の公表を差し控えるよう申し出があった。その意向を尊重する」と説明。連絡が取れていない利用客18人について、「心当たりのある人は市保健所まで連絡してほしい」と改めて呼び掛けた。[br] 一方、9日に感染を確認した60代男性開業医が診察した患者235人のうち、13日までに体調不良を訴えた人など6人のPCR検査の結果は陰性だった。いまだ受診した16人と連絡が取れておらず、市が確認を続けている。健診を受けた市内の高校生354人については、高校側の申し出を受け、市は体調不良者や検査の状況を公表しない方針を示した。[br] 会見で小野寺市長は、会員制交流サイト(SNS)などで感染者らに対する非難が相次いでいる―と指摘。「感染したくて感染したわけではなく、中傷を受けて申し出をためらう人もいる。誹謗(ひぼう)中傷は慎んでほしい」と市民に求めた。