天鐘(7月12日)

ネットで見つけたある統計によると、題名に「東京」が付く歌は800曲以上あるという。「東京」から始まるものでも700に迫るらしい。『東京キッド』『東京ららばい』『東京砂漠』…▼おしゃれで、楽しさいっぱいの花の都。一方で、「孤独」や「冷たさ」な.....
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 ネットで見つけたある統計によると、題名に「東京」が付く歌は800曲以上あるという。「東京」から始まるものでも700に迫るらしい。『東京キッド』『東京ららばい』『東京砂漠』…▼おしゃれで、楽しさいっぱいの花の都。一方で、「孤独」や「冷たさ」などもキーワードになる混沌(こんとん)とした街だ。光もあれば陰もある大都会は、人間ドラマの題材として事欠かないのだろう▼歌のタイトルではないけれども、今、気になるのが『東京由来』だ。新宿や池袋などで新型コロナに感染した人が、地方に移動してウイルスを広げてしまう。隣の千葉や埼玉、神奈川などは戦々恐々だ▼青森市で感染が見つかった女性も、東京の夜の街に出掛けていたという。茨城県在住と聞き、初めは不思議だった。移動制限が解除されれば、こういうことも起こり得るのだと、改めて考えさせられたケースでもある▼その東京、新規の感染者がまた増えている。ここに来て過去最多と聞けば心穏やかでいられない。検査対象を増やしたというが、それだけが要因か。いまだアクセルとブレーキをバランスよく踏むことの難しさがのぞく▼「混沌とした街・東京」のイメージは強まるばかり。首都は危ないとの警戒は地方に住む者の本音だろう。石原裕次郎に『東京の夜』がある。〈雨にぬれてる新宿の街〉。一日も早い雨上がりを待つのは、東京人だけではない。