【新型コロナ】青森県内約2カ月ぶりの感染者/「東京由来」に危機感

5月8日以降、約2カ月間にわたり新型コロナウイルスの感染者ゼロが続いていた青森県内で、“東京由来”となる新たな感染者が9、10日に相次いで確認された。県境をまたいだ移動やイベント開催などの制限が緩和され、市中への感染が広がる懸念が高まる中、.....
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 5月8日以降、約2カ月間にわたり新型コロナウイルスの感染者ゼロが続いていた青森県内で、“東京由来”となる新たな感染者が9、10日に相次いで確認された。県境をまたいだ移動やイベント開催などの制限が緩和され、市中への感染が広がる懸念が高まる中、濃厚接触者の特定が難しいケースもあり、県や専門家は県内での感染拡大に危機感を募らせる。[br] 東京都内では新規感染者数が9、10日の2日連続で200人を超え、首都圏以外でも東京からの感染者が増加傾向だ。[br] 県内で両日に確認された感染者は、青森市内の60代男性開業医と、茨城県在住で同市に仕事で来ていた派遣型風俗店勤務の20代女性。いずれも東京や神奈川県内を訪れて、飲食店またはホストクラブを利用しており、首都圏での感染が推測される。[br] 「感染流行地から感染が地方に波及する条件は整っている。複数のクラスター(感染者集団)が発生した場合はかなり危険な状況になる」と指摘するのは、青森県感染症疫学コーディネーターの大西基喜医師。今後の感染拡大を警戒する一方で、「これまでの予防を徹底することで、感染リスクはコントロールできる」として、引き続き手洗いの励行や社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)の確保を呼び掛けている。[br] 2日連続で感染者が確認された同市の小野寺晃彦市長は10日の会見で「全ての接触者を網羅することが、市中感染を防ぐことにつながる」と強調。濃厚接触者の特定を進めるとともに、市民に関東方面への移動に慎重を期すよう注意を促した。[br] 約2カ月ぶりの感染者の確認を受け、県は10日、危機対策本部会議を開催。県民に対して移動の自粛は要請しないとしながらも、関東方面へ移動する場合は移動先の感染情報に十分留意することを求めた。[br] 三村申吾知事は「新型コロナへの対応は息の長い取り組みが必要。適切な感染予防対策を講じ、慎重な行動をお願いしたい」と改めて険しい表情で訴えた。