八工大がPCR検体採取ボックス開発 八戸市民病院で使用へ

PCR検体採取ボックスを活用したデモンストレーションの様子=9日、八戸工業大
PCR検体採取ボックスを活用したデモンストレーションの様子=9日、八戸工業大
新型コロナウイルス収束の見通しが立たない中、八戸工業大(坂本禎智学長)は第二種感染症指定医療機関の八戸市立市民病院(今明秀院長)と連携して、PCR検査用の検体採取の際に医師の安全を確保する「検体採取ボックス」を独自に開発した。市販品に比べて.....
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 新型コロナウイルス収束の見通しが立たない中、八戸工業大(坂本禎智学長)は第二種感染症指定医療機関の八戸市立市民病院(今明秀院長)と連携して、PCR検査用の検体採取の際に医師の安全を確保する「検体採取ボックス」を独自に開発した。市販品に比べて軽量化を図ったほか、パネルにアルコール消毒ができる塩化ビニール製を採用したのが特徴。ボックスは来週にも同病院に搬入される予定。[br] ボックスは、同大の機械工学科と工作技術センターが中心となり製作。土木建築工学科が空調シミュレーションを実施し、生命環境科学科が清潔空間指導を行うなど、各分野の教員や学生が開発に参加した。[br] パネルの素材などについて、同病院の医師らの意見を取り入れながら、約1カ月かけて製作・開発。大きさは縦、横各1メートル、高さ2メートル、重さ80キロ。キャスター付きで、容易に移動できる。中心的に開発に携わった機械工学科の浅川拓克准教授によると、費用は材料費のみ50万円程度で「市販品の約半額」という。[br] 9日は同大で記者会見と同病院への寄贈式が行われ、坂本学長は「八戸工業大学の『知の結集体』。今後も多くの人の健康を守るべく地域に貢献していきたい」とあいさつ。今院長は「感染症と闘う医療現場にとって心強く、安心。ボックスを活用し、安全で素早い検査を市民に提供できれば」と述べた。[br] 今後は新型コロナの第2波や秋頃に流行が予想されるインフルエンザとの同時発生に対応するため、診療所での導入も視野に入れ、さらなる軽量化やコストダウンなど改良を図る。[br] 開発に参加した機械工学科4年の田代祐葵奈さん(21)は「順序立てて組み立てるなど勉強になることが多く、貴重な経験になった」と充実感をにじませた。[br] 浅川准教授は「材料はどれも八戸の製作所が手掛けた『メイド・イン・八戸』で、性能もどこにも負けない」と自信を見せた。 PCR検体採取ボックスを活用したデモンストレーションの様子=9日、八戸工業大