青森県は29日、新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされる県内の宿泊事業者を支援する「泊まって応援、旅して発見!『あおもり宿泊キャンペーン』」を、7月10日にスタートすると発表した。予約は同3日から受け付ける。県民を対象とした特別な宿泊プランを、通常より1人1泊5500円安く提供。県外や国外からの観光客が激減する中、県民による県内の周遊を促し、需要回復につなげたい考えだ。[br] 県内観光は、感染拡大による、国内外の移動制限の影響で大きく落ち込む。県境をまたいだ移動制限は解除されたが、大きな需要が見込まれる夏祭りの中止が相次ぎ、近年伸びを見せる外国人旅行客数が回復する見通しも立っていない。[br] そこで県は感染状況が落ち着き、安心して旅行ができる県民による県内観光に着目。単なる宿泊割引ではなく、収束後の地域間競争を見据え、宿泊施設に参加料を支払うことで、魅力的なプランづくりと感染防止対策の促進を狙い、今回のキャンペーンを立案した。[br] 県によると、7月10日までに客室規模が10室以上の施設に50万円、9室以下には20万円が参加料として支払われるという。県内宿泊施設の約半数にあたる223施設が参加。各施設は、地元名物をふんだんに使った食事や、周辺観光施設の入場券、カヌーなどの体験メニューといった、地域の魅力が感じられるプランを設定し、従来より割安な値段で提供する。2連泊まで対象となる。[br] 予約は各施設のホームページや電話で受け付ける。プランの利用は先着順で、10室以上の施設は50泊、9室以下は20泊限定。7月3日に青森県観光情報サイト「アプティネット」に特設サイトが開設され、全プランが確認できるようになる予定だ。[br] 県誘客交流課は「施設の特徴などを生かしたプランを用意した。これまで県民の県内旅行は少なかったので、キャンペーンをきっかけに県内各地に宿泊し、地元の魅力を感じてほしい」とPRする。