樹齢450年の「しだれ栗」県樹木医会などが治療/南部町

南部町相内地区の古木「しだれ栗」。クリタマバチの寄生被害で樹勢が弱まっていた
南部町相内地区の古木「しだれ栗」。クリタマバチの寄生被害で樹勢が弱まっていた
青森県樹木医会(釜渕一知理事長)と青森県林業コンサルタント(本間家大理事長)は24日、南部町相内地区の山中にある同町天然記念物の古木「しだれ栗」の治療を実施した。長年地域住民が管理を続けてきたが、葉に幼虫を寄生させる「クリタマバチ」の影響で.....
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青森県樹木医会(釜渕一知理事長)と青森県林業コンサルタント(本間家大理事長)は24日、南部町相内地区の山中にある同町天然記念物の古木「しだれ栗」の治療を実施した。長年地域住民が管理を続けてきたが、葉に幼虫を寄生させる「クリタマバチ」の影響で樹勢が衰えていた。治療に当たった関係者は「希少な名木を後世に残していきたい」と力を込める。[br] しだれ栗は高さ約6メートル、樹齢は約450年と推定される。クリの奇形変種で、しだれ柳のように垂れ下がった枝とねじれた幹が特徴だ。青森県内では非常に珍しく、県樹木医会の斎藤嘉次雄事務局長は「県の天然記念物になってもおかしくない」と評価する。[br] 相内生産森林組合(沼畑俊一組合長)が所有し、地元住民がボランティアで薬剤散布などを行ってきた。ただ、近年は人口減少や高齢化で従事者が減り、クリタマバチの寄生で葉が枯れる被害が発生。町教委から相談を受けた同コンサルタントが、名木の保護・保全事業として治療を実施した。[br] 同日は斎藤さんら樹木医2人と作業員4人が施肥や土壌流出を防ぐ板柵設置などを行った。今後、クリタマバチの天敵であるハチの導入を検討する。[br] 同コンサルタントの野呂公専務は、「人目に付かない場所にあるが、残すべき名木だ」と治療の意義を強調。作業を見守った沼畑組合長は「地域の宝である木を、これからも守っていきたい」と話した。南部町相内地区の古木「しだれ栗」。クリタマバチの寄生被害で樹勢が弱まっていた