つがる市の国道で2018年9月、飲酒運転の車が暴走し4人が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた、同市森田町大館千歳、無職高杉祐弥被告(34)の裁判員裁判の判決公判が8日、青森地裁であり、寺尾亮裁判長は「刑事責任は重大で、危険運転致死傷の中でも重い部類」と述べ、求刑通り同罪の法定刑の上限である、懲役20年の実刑判決を言い渡した。[br] 被告は「事故の原因は私で間違いないが、危険運転はしていない」と主張。▽アルコールの影響で正常な運転が困難な状態だったか▽その状態を認識していたかどうか―の2点が争点となっていた。[br] 寺尾裁判長は被告の運転について、「事故現場の約800メートル手前を通過する時点で、正常な状態にある運転者であれば考えられないような、道路状況にそぐわない異常なものだった」と指摘。被告の健康には問題はなく、「アルコールのほかに高速度運転に及んだ原因は想定し得ない」と判断した。[br] その上で、「被告は同乗者にスピードを落とすよう注意されたのに対し返事をしているなど、自ら高速度運転をしている状況を認識していた」と説明。それにもかかわらず、事故を起こすまで高速運転を続けており、アルコールの影響で正常な運転が難しい状態だったと認定した。[br] 被告側の弁護士は取材に対し、「被告はどんな判決が出ても受け入れる。控訴はしたくないと話している」とし、「判決内容と訴訟の手続きに問題がないか確認し、本人と相談して考える」と話した。[br] 判決によると、被告は18年9月22日午前1時10分ごろ、同市の国道101号で飲酒運転をして時速129~138キロで走行。163キロまで加速し、前の車に気付き急ブレーキをかけたが間に合わず、車4台が絡む事故を起こして4人を死亡させ、3人に重傷を負わせた。