高校野球・夏の青森大会で代替大会/県内の球児「“夏”あって良かった」

二塁付近で声を掛け合い、大会に向けて気合いを込める六戸ナイン
二塁付近で声を掛け合い、大会に向けて気合いを込める六戸ナイン
球児の“夏”が来る―。青森県高野連が全国高校野球選手権青森大会に代わる独自大会の開催を決めた5日、県内の野球部員には安堵(あんど)と喜びが広がった。コロナ禍で休校が長期化し、満足に練習できない日々が続いた中でも、夏を信じて自主トレなどに励ん.....
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 球児の“夏”が来る―。青森県高野連が全国高校野球選手権青森大会に代わる独自大会の開催を決めた5日、県内の野球部員には安堵(あんど)と喜びが広がった。コロナ禍で休校が長期化し、満足に練習できない日々が続いた中でも、夏を信じて自主トレなどに励んできた球児たち。甲子園の夢はかなわない夏だが、「新たな目標ができてうれしい」「練習の成果を発揮したい」と、約40日後に始まる本番での完全燃焼を誓っている。[br] 2021年度末の閉校を控え、単独出場は今夏が最後となる五戸。野球部員は3年生4人と2年生2人の計6人で、昨秋は泣く泣く出場を断念した。ただ、“最後の夏”へ部員の思いは強く、弓道部などの生徒に助っ人を頼み、単独出場のめどが立った。[br] 5日、練習前のミーティングで「秋から一度も公式戦に出ていないが、夏を目標にメンバー集めも頑張ってくれた」と切り出した濱田剛志監督(26)。「大会まで残り1カ月。五戸の名に恥じないよう、一生懸命野球をやっていこう」と伝えると、選手たちは力強くうなずいた。[br] 「新たな目標ができて本当にうれしい」と松橋心太主将(3年)。甲子園大会中止の知らせを聞いた際には「正直、練習もやる気が出なかった」が、それでも、限られた時間でトレーニングに励み、メンバー集めにも奔走してきた日々があったからこそ、代替大会の開催決定に喜びはひとしおだ。「試合では、練習してきたことを出し切り、お世話になった人たちに五戸らしさを見てもらいたい」。有終の美を飾るため、今後の練習に全力で取り組む覚悟だ。[br] 六ケ所、野辺地との連合チームで出場が決まっている六戸。練習後のミーティングで菊池秀平監督(30)が代替大会開催の知らせを告げると、部員からは歓喜の声が上がった。[br] 平日には各校で、週末には3校合同で練習に励んでいる。連合チームでも主将を務める六戸の鈴木優斗選手(3年)は「公式戦ができずに引退するという不安もあったから、確かな目標ができて本当に良かった」と満面の笑み。野辺地の原子翔選手(3年)は「全員そろって練習する機会が少ない分、時間が足りないが、ここからは特別な毎日。試合ができることに感謝して、悔いのない練習をしていく」と力を込めた。[br] 悲願の「夏1勝」を目指すウルスラ。甲子園大会中止決定後も、誰一人欠けることなく練習を続けてきたという。平井大聖主将(3年)は「3年間の集大成を発揮できることに感謝したい」と強調した。高校生活を最後に野球から離れる3年生が多く「公式戦に臨むことで、けじめがつけられる。試合ではどこにも負けないくらい声を出して、力を出し切りたい」と闘志を燃やした。[br] 大会ではどの会場に当たっても、長時間の移動が避けられない下北勢。大湊の飛内尚人監督(47)は、代替大会開催に安堵しつつ、「開催に尽力してくれる方々のためにも、練習試合や移動のバスなど、さまざまな場面で感染防止に向けた取り組みを続けなければいけない」と気を引き締めていた。二塁付近で声を掛け合い、大会に向けて気合いを込める六戸ナイン