青森労働局は28日、新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止めされた青森県内の労働者が、見込みも含め27日時点で11事業所、212人に上ると明らかにした。宿泊業や飲食業を中心に雇用情勢が悪化しており、今後も増加する見通し。同労働局は事業者に雇用調整助成金の活用を促すなどして雇用維持に力を入れると共に、解雇者の再就職支援に取り組むとしている。[br] 解雇者数の推移を月ごとに見ると、3月は2人で、4月は34人だったが、5月に入り、176人と急増。「はちのへゆーゆらんど新八温泉」(八戸市)の閉館決定や、青森国際ホテル(青森市)を運営する国際ホテルの破産で解雇者が膨らんだ。[br] 産業別では、宿泊業111人、生活関連サービス業(公衆浴場)60人、飲食業38人、製造業2人、小売業1人。緊急事態宣言による不要不急の外出自粛や、休業などの影響で客足が激減した業種が目立つ。[br] 新八温泉と国際ホテルについて、同労働局は6月に解雇者、見込み者を対象とした説明会を開催。再就職の仲介や失業給付金の仕組みを伝える方針だ。[br] 一方、解雇や雇い止めを防ぐために重要な「雇用調整助成金」は、手続きの煩雑さなどから十分に活用されていない。同労働局によると、22日までに3515件の相談が寄せられ、実際に申請したのが364件で、支給が決定したのは175件にとどまる。[br] 28日に青森市内で会見した請園清人局長は、支給が進まない現状について「制度の理解が難しく、申請まで行き着かない」と分析。厚労省が20日から申請手続きを簡略化したとして「申請数は徐々に増えている。一日でも早い支給を目指し態勢を強化して対応していく」と述べた。