球児の夢がまた一つ消えるのか―。夏の甲子園として親しまれる全国高校野球選手権大会が、コロナ禍を背景に中止が検討されているとの報道を受け、青森県内の高校野球関係者は「本当ならば残念」と落胆。ただ、休校長期化で勉学への影響が危惧されることもあり「地方大会を実施するかどうか、県高野連も早期に判断すべきだ」との声も上がった。[br] 県内の高校球児は他競技と同様、今春は大会が全て中止されただけでなく、練習試合すら組めていない。4月17日には緊急事態宣言の全国拡大に伴って県立高が臨時休校。5月7日には休校が明け、部活動も再開した学校が多いが、例年のような調整ができないでいる。[br] 県南地域のある私立校の監督は「今月20日以降に練習試合を予定していた。夏があると信じ、生徒の士気も高まっていた。報道が本当なら残念だとしか言いようがない」と絶句。夢の舞台を目指して日々練習に取り組んできた生徒をおもんぱかり、「なんとか、甲子園を目指した試合をさせてあげられないものか。高野連の正式決定を待ちたい」と無念さをにじませた。[br] 一方、ようやく部活動が再開されたばかりとあって、ある県立校の指導者は「継続して練習ができていない中で実戦を迎えるのは、けがのリスクがある」とあと2カ月ほどで夏の激闘に挑むことへの不安を口にした。さらに、休校で授業が遅れている現状を踏まえ「3年生は受験の準備もある。野球と勉強のはざまで悩む子どものため、高野連は大会日程について早く決断すべきだ」と訴えていた。