「べっぴんの湯」湯量回復せず、元通りの再開困難/久慈

営業休止前のべっぴんの湯=2019年8月、久慈市山根町
営業休止前のべっぴんの湯=2019年8月、久慈市山根町
源泉の湧出量減少で営業を休止している久慈市山根町の新山根温泉「べっぴんの湯」を巡り、所有者の市が実施した井戸の工事で湯量が回復しなかったことが13日、市への取材で分かった。源泉は枯渇していないが湯量は休止前とほぼ変わらず、完全な形での営業再.....
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 源泉の湧出量減少で営業を休止している久慈市山根町の新山根温泉「べっぴんの湯」を巡り、所有者の市が実施した井戸の工事で湯量が回復しなかったことが13日、市への取材で分かった。源泉は枯渇していないが湯量は休止前とほぼ変わらず、完全な形での営業再開は困難となった。市は再開方法を模索している。[br] 湯量回復に向けた工事は、3月末から5月1日まで実施。ポンプで井戸に大量の水を注入する「圧入洗浄」を行い、井戸とつながる地下水脈に水圧を与えることで、障害物や詰まりが解消されると見込んだ。[br] 市は温泉を継続的に運営するには毎分50リットル程度が必要とみていたが、工事後の揚水試験の結果、安定的にくみ上げられたのは毎分24リットル程度にとどまった。減少の原因は特定できなかったが、毎分200リットルあった開業時と比べて井戸の能力が変化したとみられる。[br] 市は湯量が回復しなくても何らかの形で施設を再開する意向で、本年度の一般会計予算には改修費1億円を計上している。今後は、一部の浴槽のみに温泉を使用し、それ以外は地下水や水道水で賄う再開案などの検討を進める。[br] 一方、市の指定管理者として温泉を運営していた住民団体「新山根温泉振興協会」は、会員の高齢化などを背景に15日の総会で解散を決める方針。再開後の運営主体も今後の課題となりそうだ。[br] べっぴんの湯は1995年に開業した市内唯一の温泉。山あいのロケーションと東北一の強アルカリ成分が特徴で、近年は年間7万人が訪れていた。営業休止前のべっぴんの湯=2019年8月、久慈市山根町