再処理工場「合格」/規制委員長会見、長期化は「共通理解つくる積み重ねの結果」

再処理工場の審査について振り返る更田豊志委員長=13日、東京都内
再処理工場の審査について振り返る更田豊志委員長=13日、東京都内
原子力規制委員会の更田豊志委員長は13日、使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)の審査書案を了承した後の定例会見で、日本原燃の審査申請から6年4カ月を要したことを受け「審査する側、受ける側の双方に手探りの部分があった。(新規制基準の)共通理解.....
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 原子力規制委員会の更田豊志委員長は13日、使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)の審査書案を了承した後の定例会見で、日本原燃の審査申請から6年4カ月を要したことを受け「審査する側、受ける側の双方に手探りの部分があった。(新規制基準の)共通理解をつくる積み重ねの結果がこれだけの長期間になった」と振り返った。[br] 原発が原子炉建屋を中心に構成されるのに対し、再処理工場は十数建屋に主要工程がまたがる。こうした特徴を踏まえ、更田氏は「対象機器が多くて防護する放射性物質が面的に広がっている」と特有の難しさが根底にあったと指摘した。[br] 合格実績を積み上げる原発審査との違いに関しては「基準を作ったとは言え、大事故の十分な事例がなく、その中で重大事故対策をどこまで考えるのか」という苦悩を抱えていたと明かした。一方、原燃側の視点にも立って「先頭バッターであり唯一のバッター。同業他社がいる訳でなく、民間事業として前例もない」と述べた。[br] 審査でポイントになった安全対策としては、原燃が再処理する核燃料の冷却期間を「4年以上」から「15年以上」に見直した点を挙げた。更田氏は「万一の事故が起きた時も発熱量、放射性物質の放出量の双方で(対策を講じる上で)有利だ」と説明。一方、これによって再処理に回らない核燃料が増える可能性もあるため、水冷のプールよりも乾式貯蔵を拡大すべきとの認識を改めて示した。[br] この日で審査は一定の節目を迎えたが、原燃にとって品質保証体制の改善は道半ば。更田氏は「今後もトラブルがないとは思わない。その時にどう対処して是正するかが鍵だろう。自らの責任でどれだけ設備を確認していけるか。審査で終わりではなく、今後も検査を通じて監視していく」と強調した。再処理工場の審査について振り返る更田豊志委員長=13日、東京都内