新型コロナウイルスの感染拡大を受け、青森県は11日、ウイルスを検出するPCR検査と医療提供体制を強化する方針を明らかにした。新たに全自動PCR検査装置を2台導入し、1日(8時間)当たりの検査件数を従来の26検体から96検体に大幅増加。さらに入院病床は現在の99床から149床の確保を目指す。県は12日開会の県議会臨時会に、新型コロナ対策関連経費を計上した一般会計補正予算案を提出。このうち、感染拡大防止策と医療提供体制の整備には約31億円を盛り込んだ。[br] PCR検査の強化では、検査機関の県環境保健センター(青森市)に新たな装置2台を導入。同センターだけでは対応できなくなった場合、県外の民間機関に外部委託する経費2億8214万円を計上した。[br] 従来の装置は検査から判定まで約6時間かかっていたが、新たな装置は手作業の工程の一部を自動化することにより約4時間に短縮できる。感染者の早期発見への期待が高まるが、県は「新たな装置は全国的にニーズがあり、台数が不足している」と導入時期は未定という。[br] 入院病床の確保は1億2143万円。感染者の増加に備え、病床を空けている医療機関に補助する。[br] 無症状や軽症の感染者が療養する宿泊施設の借り上げ費用は6億7616万円。現在は青森市の1施設(30室)のみだが、県内6圏域に各1施設を確保し、目標客室数は450室を想定している。[br] 感染者が入院する医療機関や、検体を採取する帰国者・接触者外来を設置する医療機関に医療設備の整備を支援する事業費は4億303万円。[br] このほか、介護関連施設の感染拡大防止対策事業費3億7532万円、障害者支援施設の感染拡大防止対策事業費7112万円、オンライン診療を推進する事業費4973万円、職員体制など保健所機能強化事業費4千万円などを盛り込んだ。[br] 11日、県庁で会見した三村申吾知事は「対応には長い時間が必要で油断ならない。慎重で丁寧な検査をするため準備を整えたい」と強調した。