八戸市内のライブハウスやクラブは今/クラウドファンディングなど展開、音楽の灯守る

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける、八戸市内のライブハウスやクラブ。関係者が存続の道を模索する=4月下旬、同市類家の「ロックス」
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける、八戸市内のライブハウスやクラブ。関係者が存続の道を模索する=4月下旬、同市類家の「ロックス」
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、八戸市内のミュージックシーンを彩ってきたライブハウスやクラブが苦境に立たされている。来店客の減少や出演のキャンセルなどが重なり、各店では青森県による営業自粛の要請以前から休業状態。ライブの興業が収入源だ.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、八戸市内のミュージックシーンを彩ってきたライブハウスやクラブが苦境に立たされている。来店客の減少や出演のキャンセルなどが重なり、各店では青森県による営業自粛の要請以前から休業状態。ライブの興業が収入源だったため、経営は大きく傾き、「このままでは店が持たない」と悲鳴も上がる。グッズ販売やクラウドファンディング(CF)などを展開し、運転資金の確保に努めながら、生き残りを図っている。[br] 今年でオープン3年目を迎える同市長横町のライブハウス「フォーミー」。ライブがある日は多くの観客が音楽に酔いしれるが、今はひっそりと静まり返る。[br] 2月にリニューアル工事を行い、3月以降は全国的に人気のバンドやアーティストによるライブが予定されていた。しかし、ライブハウスを発端としたクラスター(感染者集団)が全国各地で発生。出演者からイベント見送りの連絡が続き、スケジュールは白紙になった。[br] ライブによる収入は現在ゼロ。一方で、少しでも音楽ファンとつながっていたい―との思いから、オリジナルグッズの販売を開始。店内でレコーディングしたアーティストらのCD制作も考えている。[br] 店舗には、工事を手伝ってくれた音楽仲間との思い出が詰まっている。代表の松本光由さん(49)は「この場所をなくすわけにはいかない」と決意を込める。[br] 昨年オープン30周年を迎えた同市類家の老舗ライブハウス「ロックス」も2月以降、ライブ中止の電話が相次いだ。翌月には店を休み、現在は店内で作った弁当を販売しながら難局を耐えている。[br] 「ここから感染者を出したくない」。先の見えない不安にさいなまれ、代表の大隅由紀子さん(53)の頭には、「閉店」の二文字もよぎっていたという。[br] 救ってくれたのは、音楽仲間たちだった。資金確保のアイデアを提案してもらったり、毎日のように弁当を購入してもらったりするうちに迷いは消えた。[br] 店存続へ向けて新たに始めたのが、インターネット上で資金を募るCF。休業中も生じる施設の維持費を確保して当面を乗り切り、仲間たちと心から笑える日を目指す。大隅さんは「あらためてこの場所は特別なものであることに気付いた。店のためなら、とことんやってやる」と歯を食いしばる。[br] 同市十三日町のクラブ「マーキー」もCFに活路を見いだす。[br] 同店では店内の消毒や換気、検温を徹底してきたが、3月下旬以降に市内で感染者が相次いだことを受けて、休業に踏み切った。[br] 「安心して楽しめないと意味がない」と代表の鈴木陽介さん(36)。感染の終息が見通せない状況に、1年の休業も覚悟しているという。[br] 店を守るため、CFで資金を募りながら、今後は日中の仕事も模索する考え。「生き残るためにあらゆる可能性を試していきたい」と前を向く。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける、八戸市内のライブハウスやクラブ。関係者が存続の道を模索する=4月下旬、同市類家の「ロックス」