往事の姿に復元 「天台寺」大規模工事終える/二戸

大修理が完了した本堂=27日、二戸市
大修理が完了した本堂=27日、二戸市
建立以来約360年ぶりとなる本堂と仁王門の保存修理を終えた二戸市浄法寺町の天台寺が27日、報道関係者にお披露目された。これまで屋根などの補修は行われてきたが、大規模な工事は初めて。建立当初から残っている部材を最大限活用し、江戸時代前期の往事.....
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 建立以来約360年ぶりとなる本堂と仁王門の保存修理を終えた二戸市浄法寺町の天台寺が27日、報道関係者にお披露目された。これまで屋根などの補修は行われてきたが、大規模な工事は初めて。建立当初から残っている部材を最大限活用し、江戸時代前期の往事の姿を復元した。[br] 本堂は万治元(1658)年、仁王門はその前年の明暦3(1657)年、盛岡藩主・南部重直によって建立され、共に国の重要文化財に指定されている。[br] 本堂は柱のみを残す半解体、仁王門は全解体し、傷んだ部材を手作業で取り外した。基礎、屋根、建具などに各種工事を施し、約6年半かけて事業が完了。本堂内の厨子(ずし)の一部には浄法寺漆が塗られている。事業期間は2013年9月から20年3月で、総事業費は約9億円。[br] 今回の修理で建立年を示す墨書(ぼくしょ)が発見されたほか、屋根と柱以外の大部分の部材として桂が使われていることが判明。同寺は、参道入り口にある桂の木の根元から湧き出る水にちなんで「桂泉(けいせん)観音」とも呼ばれており、寺責任役員の千葉康行さん(75)は「寺と桂の木は昔から関係が深く、ご縁を感じる」と話す。[br] 一方、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、6月に予定する落慶法要は規模縮小、大型連休の関連行事は延期となった。一般参拝は可能。大修理が完了した本堂=27日、二戸市