青森県内の6児童相談所が2019年度に対応した児童虐待件数は1620件(前年度比207件増)で1996年度の統計開始以来、過去最多となったことが21日、県のまとめで分かった。相談件数の増加について、県こどもみらい課は「警察や学校など関係機関との連携が強化され、通告義務が周知されてきた結果」との見方を示した。[br] 虐待件数は、各児相が相談や通報を受け、虐待と判断して助言指導、施設入所などの措置をした集計。児相別では▽八戸492件(8件減)▽七戸156件(65件増)▽むつ88件(16件減)▽中央(青森市)519件(121件増)▽弘前252件(14件増)▽五所川原113件(31件増)。[br] 虐待の種別は、ドメスティック・バイオレンス(DV)の目撃やきょうだい間の差別といった「心理的虐待」が892件(92件増)と全体の半数以上だった。「身体的虐待」は408件(44件増)、「性的虐待」は2件(8件減)、保護を怠ったり拒否したりする「ネグレクト」が318件(79件増)。[br] 虐待者は実母が772件と最多で、実父は722件。相談を受けた経路は警察(680件)や学校(252件)が多く、近年は近隣や知人からの通報(210件)も増えているという。[br] 児相の対応は、保護者などへの「助言・指導」が1344件と全体の8割以上で、県は比較的早期に対応できているとしている。一方で「児童福祉施設等入所」(39件)、「里親委託」(4件)など子どもを親から引き離すケースもあった。 同課の最上和幸課長は「虐待の確証がなくても、疑われる場合は通報することが子どもの安全確保につながる。積極的に児相や市町村へ通報してほしい」としている。[br] 近くの児童相談所につながる全国共通ダイヤルは電話189。