青森県や21あおもり産業総合支援センター(青森市)などが県内8市に設置している創業支援拠点を活用して、実際に起業に結びついた2019年度の創業者数が142人で、過去最多となった。拠点が全て整備された16年度から4年連続で100人を超え、高水準を維持。専門家が計画から開業までを支援する“伴走型”サポートが効果を上げた形だ。県は「創業希望者に支援内容が浸透してきた。この流れを継続できるように取り組みを充実させたい」としている。
同拠点では、創業に関する支援を専門とするインキュベーション・マネジャー(IM)が常駐し、構想から開業までを一貫して支えている。当初は八戸、青森、弘前の3市だけだった拠点は15年度に三沢、むつ、五所川原の3市、16年度には十和田、黒石両市にも設置された。
拠点の増加と共に、創業者数も伸びを見せている。19年度は504人が拠点を利用し、男性85人、女性57人が創業した。年代別では20代12人(8・5%)、30代54人(38・0%)、40代49人(34・5%)、50代22人(15・5%)、60代4人(2・8%)、70代1人(0・7%)で、働き方への意識の変化からか、働き盛り世代の30~50代が8割以上を占める。
また、県が近年力を入れているUIJターンによる創業については、IMによる相談会を月1回、東京で実施。19年度は17人が創業し、そのうち30代が10人と、若者の流入が目立った。
拠点を活用した創業について、県は専門家による手厚いサポートや、先輩起業家らとの人脈を構築できることなどを利点に挙げる。
20年度は、多彩な技術を持った女性の創業に力を入れながら、これまでの支援を継続、充実させていく方針。県地域産業課は「関係機関と連携しながら、地域の特色を生かした創業を一層促進していきたい」と力を込める。