【三社大祭合同運行見送り】人出100万人超、経済への打撃必至

山車運行の見送りなど規模縮小が決まった八戸三社大祭。今年は中心街で豪華絢爛な山車を見ることはできない=17日、八戸市十三日町
山車運行の見送りなど規模縮小が決まった八戸三社大祭。今年は中心街で豪華絢爛な山車を見ることはできない=17日、八戸市十三日町
新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、今年の八戸三社大祭は呼び物の一つである山車運行などが見送られることが正式に決まった。北奥羽地方最大の夏祭りといわれ、近年は100万人以上の入り込み数を記録しているだけに八戸市内の経済界への打撃.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、今年の八戸三社大祭は呼び物の一つである山車運行などが見送られることが正式に決まった。北奥羽地方最大の夏祭りといわれ、近年は100万人以上の入り込み数を記録しているだけに八戸市内の経済界への打撃は必至だ。「飲食店にとっては非常事態」「一番の書き入れ時なのに」。感染防止のために規模縮小はやむを得ない―と決定を冷静に受け止める一方、経済関係者からは落胆と戸惑いの声が相次いだ。[br] 八戸三社大祭は、2016年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたことで注目度が上昇。登録後の17年の入り込み数は114万人(8月5日の記念祭を含む)、18年は104万人、19年は107万人と推移し、毎年、中心街は多くの人でにぎわいをみせる。[br] 八戸商工会議所の河村忠夫会頭は「三社大祭で感染被害が出るのは避けなければならない」と規模縮小に理解を示した上で「中心街経済のほか、宿泊や飲食、タクシー業界など観光産業への影響が大きい」と懸念。「経済的な部分も来年の祭りで巻き返したい」と強調した。[br] 「祭りは一番の書き入れ時。非常に厳しい」と話すのは、八戸中心商店街連絡協議会の松井正文会長。政府の外出自粛要請の影響で、5月の大型連休も人出は見込めず、7月に予定される「はちのへ七夕まつり」の開催も不透明。「若者や人が集まれるイベントがない状態。早期終息することを願うだけ」と話した。[br] 八戸横丁連合協議会の事務局長を務める、長横町商店会の月舘裕二会長は「三社大祭の期間中は繁華街がにぎわう。飲食店にとっては異常な事態」と表情を曇らせる。[br] ホテル業界からも悲鳴が上がる。市内では平昌五輪金メダリストの羽生結弦選手らが出演予定だったアイスショーが中止となり、各ホテルでは宿泊のキャンセルが相次いだばかり。ある市内のホテル役員は「県内の夏祭りシーズンは高稼働が続き、例年は三社大祭の期間は満室。祭りのような“特需”がなくなるのは痛手」、違うホテルの関係者は「県内全体で祭りが中止や規模縮小になるのは厳しすぎる」と肩を落とした。 山車運行の見送りなど規模縮小が決まった八戸三社大祭。今年は中心街で豪華絢爛な山車を見ることはできない=17日、八戸市十三日町