久慈市栄町第31地割の住宅で、この家に住む会社員吉田俊さん(47)の遺体が見つかった事件で、久慈署は17日、殺人の疑いで、同居する妻で自称事務員の知恵子容疑者(45)を逮捕した。容疑を認めており、夫婦間のトラブルがなかったかを含めて動機を調べている。[br] 逮捕容疑は15日から16日の間、自宅で俊さんを殺害した疑い。同署と岩手県警捜査1課によると、俊さんの首には絞められたような跡があり、他に目立った外傷はなかった。[br] 県警によると、知恵子容疑者から親族に夫を殺したとの内容のメールが届き、親族が知人に相談。知人の110番通報で駆け付けた同署員が16日午後1時50分ごろ、誰もいない自宅内で、あおむけで倒れていた俊さんの遺体を発見した。[br] 県警は、知恵子容疑者の捜索を青森県警にも依頼。約2時間後、青森署員が青森市内で軽乗用車を1人で運転しているところを発見し、身柄を確保した。久慈署などが任意で聴取し、容疑が固まったとして17日午前4時ごろに逮捕した。[br] 俊さんは3月から市内のタクシー会社に整備士として勤務。勤務先によると、15日も普段通りの業務を行い、午後5時ごろに退社した。16日は午前7時50分ごろ、家族を名乗る女性から「37・2度の熱があるので休ませてほしい」と電話があったという。知恵子容疑者が電話したとみられる。[br] 俊さんは久慈秋まつりに毎年参加していた。山車組の中心メンバーで、開幕前には夜遅くまで制作に打ち込んだ。山車組関係者は「祭り好きで優しく、年下にも慕われていた。なぜ、こんなことになったのか」と驚いた様子で語った。