【新型コロナ】八戸シーガルビューホテル閉館/新型コロナ感染の余波は想像以上、社長「本当につらい」

記者会見で「八戸シーガルビューホテル花と月の渚」の閉館を明らかにする河原木督悦社長=10日、八戸市の同ホテル
記者会見で「八戸シーガルビューホテル花と月の渚」の閉館を明らかにする河原木督悦社長=10日、八戸市の同ホテル
新型コロナウイルス感染症の影響で、先行きが見えなくなった―。14日の営業を最後に閉館が決まった八戸市鮫町の「八戸シーガルビューホテル花と月の渚」。運営会社「海の樹開発」の河原木督悦社長は10日の会見で、「地元と一体のホテルだっただけに本当に.....
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 新型コロナウイルス感染症の影響で、先行きが見えなくなった―。14日の営業を最後に閉館が決まった八戸市鮫町の「八戸シーガルビューホテル花と月の渚」。運営会社「海の樹開発」の河原木督悦社長は10日の会見で、「地元と一体のホテルだっただけに本当につらい」と苦渋の選択だったことをにじませた。2002年の東北新幹線八戸開業を好機と捉え、八戸商工会議所の経営者グループが滞在型観光の確立を目指してリゾートホテル化を進めてきたが、感染拡大の余波は予想以上だった。[br] 風光明媚(めいび)な三陸復興国立公園内にあるホテルが、コロナ禍に襲われた。閉館を決議した9日の臨時株主総会を前に、本紙取材に応じた河原木社長は「薄氷を踏むような営業が続く。今、決断しなければならない」と厳しい表情を見せた。[br] 10日の会見では、感染拡大で売り上げが激減した実情が示された。久慈剛支配人は「3月は歓送迎会や学校関係の会合がキャンセルになり、八戸で感染者が出た後は数少ない予約もなくなった。4月は宿泊も宴会も予約が入らない」。河原木社長は「このホテルは観光客が中心。実質的に休業状態だった」と明かした。[br] 旧はちのへハイツの建設から45年ほどが経過し、施設の老朽化も目立った。土地と建物を所有する市に相談しながら、別の企業などにホテル運営を譲渡する方法も模索したが、実現には至らなかったという。[br] 同ホテルは地元・鮫地区には欠かせない存在。「人間カーリング」など、地域のにぎわい創出に向けたイベントを企画し、鮫角灯台の一般開放の管理も担ってきた。河原木社長は「地元の方々にはホテルを心底愛してもらった。八戸の観光振興の一助になれば、と運営してきたが…」と声を震わせた。[br] ホテルの土地と建物は市に戻り、今後は利活用が焦点となる。小林眞市長は取材に「どのように活用するかは幅広く市民の意見を聞いて検討する。国立公園内にある素晴らしい施設を眠らせることなく、新しい形で次のステップが踏めるようにしたい」と話した。記者会見で「八戸シーガルビューホテル花と月の渚」の閉館を明らかにする河原木督悦社長=10日、八戸市の同ホテル