十和田富士屋ホテル閉館へ 婚礼減少、新型コロナが追い打ち

9月末で閉館する十和田富士屋ホテル=3日、十和田市
9月末で閉館する十和田富士屋ホテル=3日、十和田市
十和田市の十和田観光電鉄(佐藤行洋代表)は3日、同市中心街で運営する十和田富士屋ホテルと別館の富士屋グランドホールについて、9月末で閉館することを明らかにした。婚礼件数の落ち込みや施設の老朽化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による需要低.....
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 十和田市の十和田観光電鉄(佐藤行洋代表)は3日、同市中心街で運営する十和田富士屋ホテルと別館の富士屋グランドホールについて、9月末で閉館することを明らかにした。婚礼件数の落ち込みや施設の老朽化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による需要低迷が追い打ちを掛け、ホテル事業の継続が困難と判断した。同社総務部の小笠原秀和部長は「この状況では、独立採算が取れない事業の廃止はやむを得ない。バスなどの本業に特化したい」としている。[br] 同社によると、ホテルは1977年に「ホテルサンプラザ」として開業。ホールは84年に別館の式場「ウェディングプラザ日本閣」として開設された。その後、ホテルは十和田富士屋ホテルに商号を変更し、ホールも現施設名に改称。2008年に同社のホテル部門として事業統合された。[br] ホールについては昨年6月、人員不足などを理由に、今年4月から休館することを発表していた。[br] ホールを合わせたホテル事業では、売り上げ全体の4割を占めた婚礼部門が13年度から7年連続で赤字となっており、実績値がまとまっている18年度の婚礼部門の売り上げは、黒字だった12年度に比べ、3分の1まで落ち込んでいたという。[br] ただ、宿泊と宴会部門の売り上げは、ほぼ変わらずに推移していた。ホテルは築43年と老朽化が進み、改修に1億円以上が見込まれていたものの、不採算部門のホールを休館することで経営再建を目指していた。[br] だが、新型コロナウイルスの感染拡大により状況が一変。宴会の自粛や、青森ねぶた祭の中止検討などを受け、計画の見直しを余儀なくされた。同社が手掛けるバスや遊覧船などの事業への影響も懸念され、ホテル施設の改修費の捻出も困難になると判断し、閉館を決めた。[br] ホテルの従業員約40人に関しては、同社の別事業へ配置転換するほか、バス運転手を希望する場合には、資格取得のための費用を同社が全額負担する方針。[br] 小笠原部長は「ホテルの赤字を他事業で穴埋めすることが難しくなった。館内のレストランなどは閉館まで営業する」としている。9月末で閉館する十和田富士屋ホテル=3日、十和田市