【新型コロナ】企業の新体制に余波  青森県内の入社式や研修など縮小、延期

青い森信用金庫の2020年度入庫式。新型コロナウイルスの影響で、会場を変えて規模を縮小した=27日、八戸市の同信金鍛冶町支店
青い森信用金庫の2020年度入庫式。新型コロナウイルスの影響で、会場を変えて規模を縮小した=27日、八戸市の同信金鍛冶町支店
新型コロナウイルスの感染拡大は、青森県内企業の入社式や新人研修にも多大な影響を及ぼしている。感染者が相次いで確認された八戸市では、入社式の規模縮小や延期、中止を決めた企業・団体も少なくない。新入社員にとっては、社会人としての第一歩を踏み出す.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大は、青森県内企業の入社式や新人研修にも多大な影響を及ぼしている。感染者が相次いで確認された八戸市では、入社式の規模縮小や延期、中止を決めた企業・団体も少なくない。新入社員にとっては、社会人としての第一歩を踏み出す晴れ舞台だが、各社は「社員の安全が第一」「感染予防を徹底したい」と危機意識を高めて対応に当たる。新人研修も例年のようなプログラムを組めず、企業の新体制移行にも新型コロナウイルスの余波は広がっている。[br] 14人の新入職員を迎え、27日に2020年度の入庫式を開いた青い森信用金庫(本店・八戸市)。例年は市内のホテルで開催していたが、今回は規模を縮小して同市の鍛冶町支店の一室を使用した。両親ら家族の出席を見送り、式後の会食も取りやめとなった。[br] 人事部によると、新人研修は例年同様に3月16~28日の期間で実施。ただ、研修所に宿泊、滞在する研修内容は見直し、新入職員は自宅やホテルから通った。担当者は「感染リスクを低減するための措置。研修でもマスクの着用や消毒、換気を徹底した」と話す。[br] 入庫式のあいさつで、益子政士理事長は「新型コロナウイルスの影響で客足や収入が減少し、資金繰りに苦しんでいる企業もある」と述べ、信金が果たすべき役目を新入職員に訴えた。[br] 現在の感染状況を鑑み、入社式の中止を決めた企業も多い。青森銀行は4月1日の入行式を取りやめ、4月中に実施予定だった新人研修も時期未定のまま延期した。みちのく銀行は3月10日に予定していた入行式を中止しており、4月1日から始まる研修は感染予防策を徹底して臨む。[br] 北東北でスーパーを展開するユニバース(八戸市)は、当初3月下旬に計画していた入社式を5月に延期した。北海道内の感染拡大を踏まえ、同社が属する食品スーパー企業グループ・アークス(札幌市)の入社式も期日が延びた。[br] 新入社員52人は4月1日付で入社となるが、当面はそれぞれの自宅に近い店舗でレジ作業などの実習に励む。5月中に予定する入社式後、本格的な新人研修をスタートさせるという。[br] ユニバース人事教育部は「入社式は一つの会場に多くの人が集まるため、リスクがあると判断した。新入社員にとっては一生に一度の式だが、出席者の安全面を第一に考えて苦渋の決断をした」と説明する。[br] 八戸市内で感染者が確認されたことを受け、東北地方でホームセンターを運営するサンデー(同市)は急きょ、4月1日に開催する入社式の時間を短縮できるようにプログラムを組み直した。新入社員48人の研修内容も変え、接触機会が多くないように工夫する。[br] 経営企画室の担当者は「八戸で新型コロナウイルスの感染が確認されたことから、感染予防や安全面への配慮を重視して取り組みたい」と強調する。[br] 一方、感染拡大の影響で新体制による企業活動が出遅れる格好となり、ある企業の役員は「感染防止に注意しながらの新人研修は大変。新戦力に期待しているが、現場に出て働くまでの期間が例年より遅くなるだろう」と懸念を示した。青い森信用金庫の2020年度入庫式。新型コロナウイルスの影響で、会場を変えて規模を縮小した=27日、八戸市の同信金鍛冶町支店