「郷土の宝、発信したい」 地元出身の女性駅長/JR二戸駅

地元出身ならではの視点を生かし、地域振興に意欲を燃やすJR二戸駅長の澤村郁子さん=二戸市
地元出身ならではの視点を生かし、地域振興に意欲を燃やすJR二戸駅長の澤村郁子さん=二戸市
郷土の宝を発信したい―。JR二戸駅長に就任した澤村郁子さんは二戸市石切所出身。JR東日本盛岡支社管内で3人目の女性駅長だ。近年盛り上がりを見せるカーリングをはじめ、漆や果樹といった特産品から地域限定のお菓子「チーズピッコロ」まで地元目線を生.....
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 郷土の宝を発信したい―。JR二戸駅長に就任した澤村郁子さんは二戸市石切所出身。JR東日本盛岡支社管内で3人目の女性駅長だ。近年盛り上がりを見せるカーリングをはじめ、漆や果樹といった特産品から地域限定のお菓子「チーズピッコロ」まで地元目線を生かしながら、地域の活性化に力を注いでいる。[br] 市立石切所小、福岡中、岩手県立福岡高、岩手大と進み、JRに入社。幼いころから友だちや親戚を迎えに、二戸駅へ行く機会も多かった。「誰かに会えるわくわく感、別れの寂しさ、両方を感じられる場所」と思い出を語る。[br] 旅行商品の仕入れ、造成や仙台駅「びゅうプラザ」の勤務など、主に営業畑を歩んだ。前職は盛岡支社販売促進課の商品宣伝グループリーダー。昨年8月、同支社では新花巻、水沢江刺に続く女性駅長として抜てきされた。[br] 駅長職は入社以来のあこがれ。令和最初の年に駅長を拝命、しかも地元とあって、異動が決まったときはうれしさと緊張が交錯した。営業はもちろん、安全安定輸送の責任も重大だ。赴任して約8カ月。「今も背筋がシャンとする毎日」という。[br] 旧国鉄時代から「男職場」のイメージが強いJR。しかし、仕事の上では「不安などはあまり感じなかった。よく相談にのってもらった方だと思う」と笑う。[br] 同社によると、1999年の労働基準法の改正などを機に女性の職域を拡大。管理職の女性比率を2019年3月現在の5%から、5年間で10%以上に引き上げる目標を掲げる。19年4月現在の社員数は女性7860人、男性4万5340人となっている。[br] 理想とする二戸駅の姿は「地域を元気にする」「楽しく、にぎわう場所」。地域の人たちと一緒に、二戸にしかないもの、二戸でしか体験できないこと発信したい―との思いで、仕事に取り組んでいる。[br] 昨年10月は、駅西口のカシオペアメッセ・なにゃーとで開かれた「トリコロールフェスタ・とり合戦」で、JRのブースを初めて開設。首都圏では元同僚との縁を生かし、浦和駅(埼玉県)で「二戸コーナー」を開設したほか、産直市も実施。川口(同)登戸(神奈川県)両駅ではパンフレットなどのサンプリング配布をした実績もある。[br] 新幹線に対する地元の期待もひしひしと感じている。開通を機に人や物の行き来が増加。北海道への延伸も交流拡大のチャンスと捉えている。[br] 「宝探し」で見つけた一つがカーリング。ソチ五輪代表の苫米地美智子さんの指導を受け、競技の魅力にはまった。折爪岳のヒメホタル、浄法寺漆、ブルーベリーやリンゴ、地酒「南部美人」、九戸城の桜…。数々の逸材の中には市内で不動の人気を誇る「どんぐり堂」のお菓子「チーズピッコロ」も。まさに地元出身ならではの着眼点だろう。[br] 今月に入り、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で人の流れが停滞。新年度からさまざまな事業を手掛けようと気持ちを高めていたが、逆風にもひるむつもりはない。[br] 「“オールJRグループ”で安全安定輸送のレベルアップと質の高いサービスを目指す。おもてなしの心で地域の皆さまと、訪れていただくお客さまの交流の架け橋となりたい」と強調。二戸エリアはもちろん、北奥羽全域を視野に「皆さまと一緒に“宝”を磨き上げ、地域を元気にしたい」と意欲を燃やしている。地元出身ならではの視点を生かし、地域振興に意欲を燃やすJR二戸駅長の澤村郁子さん=二戸市