むつ市の核燃新税条例案が成立

むつ市使用済燃料税条例案を賛成多数で可決した市議会臨時会=27日
むつ市使用済燃料税条例案を賛成多数で可決した市議会臨時会=27日
むつ市が中間貯蔵施設の使用済み核燃料に法定外普通税を課す条例案が27日の市議会臨時会で、賛成多数で可決し、成立した。宮下宗一郎市長は閉会後の記者会見で、30日に特定納税義務者となるリサイクル燃料貯蔵(RFS)を訪れ、条例成立を報告する考えを.....
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 むつ市が中間貯蔵施設の使用済み核燃料に法定外普通税を課す条例案が27日の市議会臨時会で、賛成多数で可決し、成立した。宮下宗一郎市長は閉会後の記者会見で、30日に特定納税義務者となるリサイクル燃料貯蔵(RFS)を訪れ、条例成立を報告する考えを示した。日程は調整中だが、青森県の三村申吾知事にも条例成立と課税を表明するという。[br] RFSに報告後、条例で定める減免申請がなければ総務省との協議に移る。総務大臣の同意を得るまでは3カ月程度を要するといい、宮下市長は「施設が操業予定の2021年度までには課税できる態勢を整えたい」と述べた。RFSの減免申請があり、市が受け入れた場合は、税額を定め直した条例案を市議会にあらためて諮るという。[br] 条例は、中間貯蔵施設に搬入される使用済み核燃料に対し、搬入時にウラン1キロ当たり1万9400円、貯蔵時に年間で同1300円を課す。県が原子力施設に課す「核燃料物質等取扱税(核燃税)条例」を参考にした。天災や「事業者の経営状況から見て過重な負担と認められる場合」について、税金を減免できる条項を設けた。税率は5年ごとに見直す。[br] 条例案は18日の市議会特別委員会で賛成多数で可決。27日の臨時会では、賛成の2議員、反対の1議員がそれぞれ討論を行い、議長を除く21人の起立採決の結果、賛成18人、反対3人で可決した。[br] 可決後、議場であいさつした宮下市長は「条例が後々の市政に燦然と輝く歴史になるよう前進を続け、新税に期待する多くの市民に対して責任を果たしていく」と述べた。[br] 同施設に計画通りに燃料が搬入された場合、市は21年度からの5年間で計93億7400万円の税収を見込む。税収は、子どもの医療費無償化、高齢者の公共交通利用に対する助成など、市民生活向上につながる施策に充てる。[br] 一方、同施設への課税を巡っては、県もこれまでに「操業時期が具体的に見据えられる状況になれば検討する」としている。RFSに対して、市との二重課税となる可能性があり、課税実現までには依然として紆余曲折が予想される。[br] 条例可決を受け、RFSは「市とのこれまでの協議の中で十分な内容確認に至っておらず、今後も協議を重ねたい」とのコメントを出した。むつ市使用済燃料税条例案を賛成多数で可決した市議会臨時会=27日