【新型コロナ】高齢者施設ぴりぴり 情報不足、不満の声も/八戸市内

八戸市内の介護施設では換気の徹底や面会制限、布マスクの着用などで感染対策を徹底している(写真はコラージュ)
八戸市内の介護施設では換気の徹底や面会制限、布マスクの着用などで感染対策を徹底している(写真はコラージュ)
八戸市で新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受け、重症化のリスクが特に高いとされる高齢者が利用する市内の介護施設では、さらに危機感を強めている。各施設では面会禁止を継続したり、換気や検温の回数を増やしたりするなどして今まで以上の厳戒.....
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 八戸市で新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受け、重症化のリスクが特に高いとされる高齢者が利用する市内の介護施設では、さらに危機感を強めている。各施設では面会禁止を継続したり、換気や検温の回数を増やしたりするなどして今まで以上の厳戒態勢を敷く。ただ、マスクや消毒液が入荷しづらい状況が続くほか、感染者の行動歴などが明確となっていない状況にあり、施設関係者らは「具体的な予防策を立てられない」「余計に不安が増す」と神経をとがらせている。[br] ある介護施設の女性職員は「市内での発生にまさかと思った。今までも警戒していたが、急に身近な問題になり、職員もぴりぴりしている」と不安を隠せない。この施設では4月から面会禁止を解除する予定だったが、急きょ延期に。利用者や職員の検温の回数を増やしたほか、デイサービス利用者の家族に対しては、連絡帳で感染が疑われる場合の対応について周知を図っているという。[br] 別の施設の男性職員は「これまでも考え得る対策は講じてきた。さらに強化して外部からのウイルス侵入を防ぐに尽きる」と語気を強める。部屋の換気の回数を1日5回に増やしたのに加え、業者などの来訪者には氏名や時間、健康状態の記録を求めることにした。男性は「緊張感は増しているが、一番いい方法を考えながら冷静に対応していく」と気を引き締める。[br] 市内の特別養護老人ホームでは、これまでの対策を強化した上で、職員に対して仕事以外での不要不急の外出を控えるように求めるなど、スタッフからウイルスが持ち込まれないように警戒。マスク不足の打開策として、職員に布マスクの使用を呼び掛けるなど工夫しながらやりくりをしているという。男性職員は「職員全員で、改めて感染予防対策について意識統一を図っている」と強調する。[br] いずれの施設も現時点ではサービスの縮小は検討していない。万が一施設内で感染者が発生した場合は、デイサービスの休止もあり得るが、利用者への影響の大きさも懸念されるため、最大限の予防策を講じていく構えだ。[br] 一方、感染者の行動歴や国内の発症事例についてはっきりとした情報が入手しづらい現状に、関係者は疑心暗鬼になっている。介護職員らからはプライバシー保護に一定の理解を示しつつも、「かかりつけ医で施設から通う利用者もいるため、必要最低限の情報だけでも発信してくれないと、適切な対策が立てられない」といった不満の声も聞かれた。八戸市内の介護施設では換気の徹底や面会制限、布マスクの着用などで感染対策を徹底している(写真はコラージュ)