「大好きな青森」随所に 十和田出身・小山さんの連載漫画人気

舞妓さんちのまかないさんの単行本の表紙
舞妓さんちのまかないさんの単行本の表紙
十和田市出身の漫画家小山愛子さんが、週刊少年サンデー(小学館)で連載中の『舞妓(まいこ)さんちのまかないさん』が、人気を集めている。華やかな京都・花街で生活する舞妓の日常を描いた作品だが、作中には青森県の郷土料理やお菓子を含む家庭料理が登場.....
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 十和田市出身の漫画家小山愛子さんが、週刊少年サンデー(小学館)で連載中の『舞妓(まいこ)さんちのまかないさん』が、人気を集めている。華やかな京都・花街で生活する舞妓の日常を描いた作品だが、作中には青森県の郷土料理やお菓子を含む家庭料理が登場し、どこか懐かしい、ほのぼのとしたストーリーが魅力だ。現在13巻まで発行されている単行本の累計発行部数は100万部を超え、1月には第65回小学館漫画賞(少年向け部門)を受賞。老若男女問わずファンが増えており、小山さんは「青森を取り入れた漫画が評価されてうれしい」と笑顔を見せる。[br] 小山さんは、兄の影響で小学生の頃から絵を描き始め、2001年、少年サンデー超増刊「日常戦線」でデビュー。今回は着物好きが高じて舞妓を題材に選んだが、「本当に住んでいた所を描きたい」という思いもあり、10歳まで過ごした青森の要素も取り入れた。[br] 同作は、舞妓に憧れて青森から京都にやってきた少女・キヨが、舞妓が共同生活を送る「屋形」のまかないさんとして働く、という物語。キヨが毎日作るご飯を通じ、花街に生きる人々の温かい触れ合いが描かれている。[br] そんなキヨの手料理の中で目を引くのが、ひっつみ汁にイカメンチ、なべっこ団子、かますもちといった、青森になじみ深い料理やお菓子。スタミナ源たれを使った野菜炒めや、回想シーンでのイギリストーストなども登場し、青森の“ソウルフード”が作品を彩る。[br] これらは、小山さんが十和田にいた頃に給食や行事などで食べた物に加え、執筆のため取材で訪れて出会った人のエピソードなどがベース。リヤカーで売られている色とりどりのアイスはどの色も同じ味がする、あずきばっとは冷たくてもおいしい―など、作中の細やかな表現につながっている。[br] 回想シーンやお正月に帰省する話で描かれる、青森の風景も見どころ。雪の日の様子など、幼い頃に感じたイメージを大切に、漫画の中に取り込んでいる。「私の記憶と違う部分もあるかもしれないが、作品の中から何かしら青森を感じでくれるのはうれしい」と声を弾ませる小山さん。[br] 「青森は、住んでいる人、出身の人に大切にされている場所だし、私も大好き。今後も失礼のないよう、頑張って描いていきたい」と力を込める。舞妓さんちのまかないさんの単行本の表紙